集合住宅「パイプインパイプ工法」
- 2024.07.10
|配管改修工事の工期短縮
人が住んでおられる住宅の配管改修工事は速やかに工事を完了させなければなりません。
ステンレス配管での改修工事の場合、新しく新設する配管を露出配管にすることで施工が容易になり、工期短縮に有効です。但し、既設立管の塩ビライニング鋼管が老朽化している場合は、スラブに埋め込まれている部分の配管を撤去する必要があり、ある程度の時間を要します。
そこで、ベンカンが検討をお勧めしているのが「パイプ イン パイプ(PIP)工法」です。
「パイプ イン パイプ工法」とはその名の如く、既設の管をサヤ管替わりにし、その中に新設の一般配管用ステンレス鋼鋼管を通す工法です。
スラブ内に埋め込まれた既存管を引き抜く必要がないため、貫通部分を損傷する危険性も少なく、また路面復旧、既存管の撤去作業も不要となるため、布設替えに比べ工期の短縮も可能となります。
例えば、既設管が50Aであった場合、実内径が49.9㎜になりますので、その中にステンレス鋼鋼管の50Su(外径48.6㎜)を通すことができます。(上右図参照)
管の外径が小さくなることにより、流量の問題を懸念する方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448)の50Suの実内径は46.2mmですので、既設管の場合(49.9mm)と比較すると直径で僅か3.7mm小さくなるだけで問題になる違いではありません。
合わせてステンレス鋼鋼管は耐食性や耐キャビテーション性にも優れていますので、流速を早めに設定することも可能で「パイプインパイプ工法」の採用を可能にするのです。
尚、「ステンレス配管」の接合方式の中でも、集合住宅の配管改修工事にはプレス式工法の管継手が多く採用されています。
スピード施工が可能で、工事を速やかに完了させなければならない工事に適しているからです。
プレス式管継手の代表である「モルコジョイント」は「パイプインパイプ工法」時での施工例が非常に多く、施工管理を重視される場合に「ダブルプレス」が採用されるケースもあります。
また、ワンタッチ式継手の「EGジョイント」を使用されるケースも最近多くなってきています。
集合住宅の給水管改修工事には、プレス式継手やワンタッチ式継手を用いての「パイプインパイプ工法」をお試しください。
takahiro.suzuki