「アルミ配管設備工業会」様の発足
- 2018.03.07
|アルミ配管設備工業会の発足
この度、2018年1月31日付で、次世代の金属配管として「アルミ配管」を普及、発展させることを目的に「一般社団法人 アルミ配管設備工業会」が発足し、ベンカンも会員として入会致しました。
現在、空調冷媒配管では銅管が 99%以上のシェアを占めています。
ところが、近年の電子機器類の普及に伴うプリント基板の急激な需要増や、新興国の発展に伴う需要増加による銅素材価格の高騰が懸念されています。
直近では2016年9月におよそ4,600ドル/トンだった銅価格は2017年9月には6,900ドル/トンまで上昇しました。
更に今後、電気自動車(EV)の普及に伴い、10年後には、銅素材の需要量は、現在の9倍に拡大するとの予測もあり、その供給体制にも懸念を抱く業界関係者も多いのが実情です。
これらの事は、現在、堅調な推移を示している建築リニューアル工事や、オリンピック関連施設の空調工事の価格や材料供給に関しても大きな意味を持ちます。
また、COP21以降、環境問題に関する世界的関心は高く、CO2問題やリサイクル問題も新材料検討時には考慮されなければなりません。
そこで、配管設備業界では、予てより空調冷媒配管の新材料として、研究されて来たのがアルミニュウムです。
ベンカンは、その企業理念に則り、SUSTAINABLE LIFELINEとして、ステンレス配管を位置付けて取り組んで参りました。
しかしながら、SUSTAINABLE LIFELINEが「ステンレス配管」だけと決めつけている訳ではなく、常に新しい価値を見出そうとする姿勢から、この「アルミ配管」の研究にも参画して参りました。
その研究の過程で、空調冷媒配管だけではなく、一般配管の空調配管への普及も可能なのではないかと考えております。
実際に研究施設では、空調配管の実装実験を行っております。
|金属配管の歴史
現在、金属と呼ばれるものは80数種類に及ぶと言われております。
それぞれの金属には特性があり、実に幅広い用途で多種多様の金属が適材適所に使用されています。
配管素材としての金属は、他の産業と同様に安価で調達が容易である鉄の炭素鋼鋼管が普及しました。
しかしながら、亜鉛メッキを施すなどの耐食処理を行ったものの塩素などの影響から酸化環境の強い給水・給湯配管では錆びてしまい現状は、ステンレス配管などの耐食性の高い金属管に代わっています。
それでも、酸化環境にない一般空調配管では、まだまだ、炭素鋼鋼管のシェアは高い状況です。
また、先述の通り、空調冷媒配管では、圧倒的に銅配管が普及しております。
アルミ配管では、まず、空調冷媒配管の需要を獲得することと、次に一般空調配管の需要獲得を目指します。
|アルミ配管の将来性
アルミ配管が次世代配管として注目し始めた主な要因を、「一般社団法人 アルミ配管設備工業会」の代表理事である坂吉 肇 様に伺いました。
■銅素材と比較して調達が安定している。
■銅素材と比較してコストが約1/3と経済的で安定している。
■重量が銅管の1/3と軽く、配管施工者への負担が少ない。
■リサイクルが容易(アルミ缶のリサイクル率は94.7%(平成24年度)出展:ウィキペディア
■CO2の排出量を銅の20%削減する事が可能。
■耐食性に優れている。
■毒性が無い。
■鋳造しやすい。(低溶融点:660.32℃)
■高強度である。(航空機等にも使用)
■加工性が良い。(展性に富む)
以上、だけではなく、まだまだ潜在的な特長がありそうです。
今後、「一般社団法人 アルミ配管設備工業会」では、「アルミ配管」の設備技術を蓄積し、品質・規格制定や認証制度の構築、技術資料の発行などを手掛けて行く方針です。
また、普及させて行くためには、広報、教育、イベントなどのマーケティング活動も積極的に展開します。
先行して、2018年2月27日から3月2日まで開催された「HVAC&R JAPAN 2018 第40回冷凍・空調・冷媒展(幕張メッセ)」に出展して告知活動を行いました。
特に、配管の「ろう付実演」では、難易度が高いと考えられていた方々の懸念を解消できたと思われます。
また、会場で即時入会された企業もあり、会員であるベンカンとしても仲間が増えることに大変嬉しく思いました。
是非、ご賛同いただける皆様のご入会をお待ちしております。
一般社団法人 アルミ配管設備工業会
東京都港区港南2丁目16番4号 品川グランドセントラルタワー8階
https://www.apea.or.jp/
電 話 03-6863-4247