【安全な建設・配管の資材選定】緩み事故ゼロの拡管式継手
- 2023.11.30
- カテゴリ: 製品|Products
|緩み事故ゼロの拡管式継手
拡管式継手は「BKジョイントⅡ」のように、袋ナットをパイプレンチで締め付けるタイプがポピュラーです。
その為、他社製品を含め使用実績はこのタイプが群を抜いて多いのですが、製品によっては、締めたはずの袋ナットが竣工後に緩んでしまうというケースもあるようです。
「BKジョイントⅡ」は2018年4月に発売を開始後、多くの施設に採用されてますが、袋ナットの緩みによる事故は1件も発生していません。
旧型のBKジョイントの緩み抑制機能が「メタルタッチ」だけであったのに対し、「BKジョイントⅡ」は袋ナットの形状を工夫することで緩み抑制効果を大幅にアップさせました。
|BKジョイントⅡの緩み抑制機能
「BKジョイントⅡ」は、竣工後の袋ナットの緩みに対処する機能を加えるため、様々な検証をしながら開発に至った製品です。
これまでの拡管式継手は、最後まで締め切っていれば、袋ナットは緩まないというものでしたが、最後まで締め付けたかどうかが作業者の目視や感覚に頼るしかなく、施工管理を難しくしていました。
「BKジョイントⅡ」は袋ナットの形状を工夫することで緩み抑制効果を高めました。
袋ナットの先端に「返し」を設け、袋ナットが緩んだ際には黄色の「確認リング」に引っ掛かり、干渉させることで緩みを抑制するしくみです。
袋ナットを最後まで締め切っていただく(メタルタッチする)のが正規施工ですが、仮にメタルタッチしていない状態でも「返し」の効果により緩み抑制機能が働くのが「BKジョイントⅡ」です。
旧型のBKジョイントでは袋ナットがメタルタッチしていなかったことで、袋ナットの緩みによる問題が発生しましたが、「BKジョイントⅡ」においては現状問題は起きていません。
|緩み抑制機能を実際に検証
ベンカンでは「BKジョイントⅡ」の緩み抑制機能が、どの程度の抑制力があるのか検証をしています。
袋ナットを本締めした「BKジョイントⅡ」を固定し、トルクレンチで袋ナットを緩め、袋ナットの緩みトルク値を測定しました。
(袋ナットを45度おきにそれぞれの緩み角度でどの程度の力が加わると緩みが進行してしまうのかを検証)
下のグラフは「BKジョイントⅡ」口径25Su(KⅡWSを使用)にて検証を行い、同様の傾向が出た測定結果の中の1データを示したものとなります。
まず袋ナットと継手本体が「メタルタッチ」した状態(緩み角度0度)では緩みトルク値が70N・ⅿ以上もあります。
「メタルタッチ」が大きな緩み抑制効果を生み出していることを示します。
90度緩んだ状態では5N・mにまで低下し、緩み抑制機能が弱まったと見えますが、「BKジョイントⅡ」は90度緩んでから緩み角度が増すほどに緩みトルク値が上昇します。(450度まで)
こちらの現象は袋ナットの「返し」が確認リングに干渉して、緩み抑制機能が働いていることを意味します。
「返し」はメタルタッチが離れる際から確認リングに接触し、少しずつ緩み抑制効果を発揮していきますが、約1/2回転あたり(緩み角度180度)から確認リングに複雑に絡み、緩み抑止力を強めていくのです。
|検証結果:確認リングが飛び出ても手で緩まず
グラフでは袋ナットの緩み角度450度(1と1/4回転の緩んだ状態)でも、16N・mの力が緩み方向に働かない限り、緩みが進行しないことを示しています。
16N・mという緩みトルク値以上に特筆すべきなのは、緩みが進行する程に緩みトルク値が上昇しているという事実です。
「BKジョイントⅡ」は、仮に予想し得ぬ大きい力が働き、袋ナットが緩んだとしても、更に強い力が働かないと緩みが進行しないのです。
尚、今回の検証においては、黄色の「確認リング」が写真のように飛び出してくるまで、さらに緩めてみました。
この状態(右写真)でも、まだ14N・m以上の緩みトルク値を維持しています。
もちろん、この状態では既に漏水に至っている緩み角度ですが、未だ手では緩めることはできない数値を示しました。(緩みトルク値14N・m)
袋ナットが外れて大漏水事故となるようなことは考えられません。
|コスト面での優位性
拡管式継手の袋ナットの緩みに したとしても、元々割高感のあるステンレス配管の材料が上がってしまうと、安全性能が増しても意味がありません。
「BKジョイントⅡ」は、緩み抑制効果を大幅にアップさせましたが、新たな部材や構造的に大きな変化を加えたわけではありませんので、懸念されるコストアップには無関係です。
ステンレス配管でもできるだけ安価に!(良いものをお手軽価格で!)
コスト的に負担が少ないのも、「BKジョイントⅡ」の袋ナット緩み抑制機能が秀逸なところです。
|予測不能の事態に備える「BKジョイントⅡ」
秀逸な緩み抑制機能を搭載した「BKジョイントⅡ」は、竣工後の予想し得ない振動に対して高い緩み抑制力を発揮することをお約束します。安心してご使用ください。
takahiro suzuki