「接続2秒。」EGジョイント
- 2019.08.23
- カテゴリ: 製品|Products
|ステンレス配管の普及
ステンレス鋼は、その優れた特性を活かして様々な用途に使用されています。
配管に採用した場合の特長は、「高い強度」、「高い耐久性」、「優れたクリーン性」、「リサイクル性」などです。
しかしながら、優れたステンレス配管でありながら、普及するには、いくつかの問題がありました。
まず、材料コストが従来の配管材と比べ割高でした。
また、配管を接合する上で、従来工法である「溶接接合」や「ねじ込み接合」では、専門的な高い技術力が必要だったのです。
結果的にステンレス配管は、優れているが高額な予算が必要な特殊な配管となってしまいました。
実際、工場などの特殊な産業配管にだけ使用され、住宅や事務所ビルなどで使用されるのは希でした。
その問題を解消したのが、一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448:SUパイプ)とそれに対応する各種メカニカルジョイントです。
一般配管用ステンレス鋼鋼管は、ステンレス鋼の「高い強度」の特性を活かして薄肉にすることで材料コストを抑えると共に軽量化を実現しました。
また、各種メカニカルジョイントは、一般的な配管技術があれば、均一な品質で施工することを実現させ、一般配管においてもステンレス配管は普及し出しました。
|EGジョイントの開発
現在、一般配管用ステンレス鋼鋼管に対応するメカニカルジョイントは、プレス式や拡管式が主流となっています。
ベンカンにおきましては、プレス式の モルコジョイントや ダブルプレス、拡管式であれば BKジョイントⅡが対象となります。
需要家の皆様には、それぞれのメカニカルジョイントの特性からご提案させていただきご選定いただいております。
しかしながら、その際のご要望として多いのが、専用工具に関する件です。
プレス式にしても、拡管式にしても、接続する際に必要なのが専用工具類です。
需要家の皆様のお立場では、この専用工具の調達やメンテナンスが煩わしいとおっしゃいます。
また、改修工事は当然ながら、近年の建物の多くが施工スペースが狭くなっている傾向にあります。
そうなると専用工具やレンチなどを用いて作業するのが容易ではなくなってきます。
更には、工期の短い突貫工事も少なくありません。
工具不要で、施工スペースを取らず、接続の早いメカニカルジョイントの開発。
これが、「EGジョイント」を開発するに至った原因です。
つまり、「EGジョイント」は、(1)専用工具不要 (2)省スペース施工可能 (3)スピード施工 を実現したメカニカルジョイントなのです。
|EGジョイントの特長
一般配管用ステンレス鋼鋼管対応の「EGジョイント」の接続工程は次の通りです。
①パイプをロータリーカッター切断、面取り。
②パイプの管端に差し込み代マーキング
③シリコンスプレーを塗布したパイプを、継手本体にそのまま差し込む
③接合完了
例えば、拡管式のメカニカルジョイントである「BKジョイントⅡ」は、20Suの接続時間は、1箇所 約180秒です。
対して、プレス式の「ダブルプレス」は、約80秒です。
そして、「EGジョイント」は、約50秒となります。
拡管式と比較したら100秒短縮、1/3以下の時間で接続を完了します。
その理由は、接続そのものの時間です。
EGジョイントは、接続だけを考慮した場合、継手本体にパイプを差し込むだけですので、正に「接続2秒。」なのです。
|今後の方向性
建築現場で材料選定を行う要因が、1.価格 2.施工 3.管理 と言われています。
大型現場で採用されるケースが多い拡管式継手ですが、昨今は予算の厳しい現場が増えて来ました。
また、数年前より、オリンピック開催などの要因で、再開発工事などの大型現場が増え、労働力不足が問題視されています。
そのため、最近では、材料コストの低減と施工時間短縮が可能なプレス式継手のダブルプレスの採用件数が増えています。
「EGジョイント」ですが、材料コストとしては、プレス式の「ダブルプレス」の方に歩があることは事実です。
故に、工具調達や施工スペース、工期などの問題がない場合は、迷わず、「ダブルプレス」のご採用をご提案させていただきます。
しかしながら、先述の通り、工具調達が煩わしかったり、施工スペースが狭かったり、工期が短かったりした場合には、材料コストがアップすることをお伝えした上で、「EGジョイント」をご提案させていただきます。
また、EGジョイントは、配管のやり直しも容易にできます。
プレス式は一度締め付けた継手の再利用はできませんので、配管のやり替えの際には、パイプを切断するしかなく、やり直しするには、再度工具を使用することとなります。
拡管式については、継手の再利用はできますが、袋ナットを外すためにパイプレンチなどで袋ナットを外す必要があり、これも作業効率が良いわけではありません。
EGジョイントは専用取り外し治具(リムーバー)で継手端部のホルダーを押し込むことで、パイプ表面に食い込んだエッジを解除し、パイプを取り外すことが可能です。
差し込み作業と同じ程度(約2秒)で、あっという間に取り外しができ、配管のやり直し作業にスムーズに移れます。
現在、EGジョイントの施工性をご体験いただくために、販売店様のカウンターにディスプレー台の設置を展開させていただいております。
最寄りの販売店様にEGジョイントのディスプレー台がありましたら、是非、手に取っていただけたらと思います。
その他、詳しい問合せや施工講習会の開催などのご要望は、ベンカンの各営業所にお申しつけください。
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