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コラム

金属加工法「塑性加工(プレス加工)」

  • 2019.12.02
  • カテゴリ: 製造|Manufacturing

|塑性加工とは

 

金属加工法には、大きく分けて、「非除去加工」と「除去加工」があるとされております。

 

「非除去加工」は、切屑を出さない加工法で、「塑性加工(プレス加工)」や「鋳造加工」、「溶接加工」などとなります。

対して、「除去加工」とは「切削加工」や「研削加工」に代表される様な切屑を出して加工する方法です。

 

ベンカンのステンレス配管は、それらの、どの加工法かに限定することなく、製品や工程によって様々な加工法を用いて製造しております。

 

その中でも「塑性加工」は、ベンカンにとって、最もコア技術といえるものとなります。

しかしながら、「塑性=そせい」という言葉が一般的に使われているものではないことからも馴染みがなく、理解していただくのは難しいかと思います。

その定義ですが、一般的には、「材料に大きな力を加えて変形させることによって、目的とする形状に成形加工する」こととなります。

 

また、社外の皆さまに対しましては、イメージし易いように「プレス加工」としてお伝えするようにしております。

尚、「塑性加工」と「プレス加工」ですが、大枠では同意語ですが、厳密には専門的に違いがあることもご理解ください。

 

経営「プレス加工技術」

 

 

|ベンカンの塑性加工

 

ベンカンの前身である日本弁管工業は、国内で初めて、1951年より溶接式管継手の生産を開始しました。

それまで、アメリカからの輸入品に頼っておりましたが、1940年代に始まった日本造船業界の活況に合わせて需要が高まったことが背景にありました。

 

当時、塑性加工技術のノウハウは然程ない状態から生産にまで漕ぎつくまでには、相当の研究と試行錯誤があったとされています。

そして、現在では、製造業としてのベンカンを支える基軸ともいえる技術となっております。

 

塑性加工といっても、用途によって様々な製法があります。

ベンカンにおきましても、材質、形状、口径、用途などによって、様々な塑性加工の製法を開発してまいりました。

例えば、冷間曲製法、熱間曲製法、液圧バルジ製法など製品によって様々です。

代表的な冷間曲製法と液圧バルジ製法をご紹介します。

 

どちらも、元々は、溶接式管継手を製造するために開発された技術で、後にモルコジョイントやダブルプレスなどのメカニカルジョイントの製造に応用されています。

ベンカンでは、長年培ってきた塑性技術をベースに新しい塑性加工技術の開発に取り組んで参ります。

 


|冷間曲製法

 

エルボ部材の成形に用いられるのが「冷間曲製法です。

 

エルボと同径の素材パイプを軸方向にプレス押しして、内外金型により拘束しながら曲げ加工します。

 

ステンレス鋼の特徴を最大限に活用した加工法で、特に需要量の多いエルボ部材の加工に最適です。

 

ベンカンでは、連続で曲げ加工できる自動機(ロボット)を導入しております。

 

 

冷間曲製法

 

 

液圧バルジ製法

 

チーズ部材の成形に用いられにが「液圧バルジ製法です。

 

パイプをティーの形状をした金型の中で拘束しておいて、油圧プレス機によって、軸方向に圧縮することよって生じる肉厚増加分を、液圧によりティーの枝部として膨出させ成形するものです。

 

塑性加工は、薄肉のパイプを素材としているため、チーズ部材の枝部の特に小径品の強度を保つのが重要視されます。

 

この「液圧バルジ製法」を用いることで、枝部の強度を落とすことなく加工することが可能です。

 

 

液圧バルジ製法

 

 

製造設備「油圧プレス機」

hirohumi sando

 

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