消防用設備等 消火設備
- 2017.03.28
- カテゴリ: 知識|Knowledge
|消防用設備等
消防法で定められている消防用設備等は、「国民の生命、財産を火災から 保護する。」と目的が示されている通り、その使命は非常に重いものです。
その意味でも、これら消防用設備等がいざというときに十分に機能を発揮することと、その機能を維持管理する役割が大切になってきます。
それらの状況を背景に、2006年頃から消防用設備等の消火設備の一部で、耐久性に優れたステンレス配管が採用されるケースが増えてきました。
消防用設備等は、人命に関わる非常に重要なものであることから、それに適した機能を持っている必要があります。
ところが、家庭用設備とは異なりますので、一般のユーザーが適否を判断することは困難です。
そのためにユーザーに代わって、消防機関が個別に性能確認試験を行う必要がある訳ですが、消防法により、消防庁登録機関内に設置された「消防用設備等認定委員会」の代行を認めています。
その役割は、設備等技術基準の全部または一部に適合しているか審査するものであり、適合が「認定」された製品には、「認定証票」を交付することとなっております。
「認定証票」の表示が付された消防用設備等は、消防法により設備等技術基準に適合したものと見なされ、消防機関が個別に性能確認試験を行う必要がなくなることからも非常に厳しい審査が行われます。(「消防用設備等認定規程」)
|消火設備
消防用設備等は、大きく、「消火設備」、「警報設備」、「避難設備」に分類されています。
この中で、ステンレス配管の採用が高まっているのは、「消火設備」に該当します。
「消火設備」とは、「水その他消火剤を使用して消火を行う機械器具又は設備」であって、具体的には次に掲げるような設備となります。
(1) 屋内消火栓設備
消防隊が火災現場に到着するまでの初期消火用に用いられるもので、建物内にいる人々が操作する設備です。
(2) スプリンクラー設備
防火対象物の天井または屋根下部分に配置されたスプリンクラーヘッドにより、火災感知から放水までを自動的に行う消火設備です。
(3) 水噴霧消火設備
スプリンクラーとほぼ同等の設備であるが、水を霧状に噴射し、油火災や変電設備等普通の消火設備では適応の無い火災を鎮圧する設備です。
(4) 屋外消火栓設備
屋内消火栓より放水の能力を高くして屋外に設置され、軒高の高い工場、倉庫などの消火、延焼阻止に用いられる設備です。
(5) 泡消火設備
泡を使用することにより、水よりも消火能力が高くなり特に油火災に威力を発揮するため、駐車場やヘリポートなどに使用されることが多い設備です。
(6) 不活性ガス消火設備およびハロゲン化物消火設備
電気室や美術館、精密機械、電気通信機室等に設置されるもので、消火剤による汚損が少なく、復旧を早急にすることが必要な施設に設置される設備です。
(7) 粉末消火設備
適応は不活性ガス系消火設備や泡消火設備と酷似しているが、凍結の恐れがある場所や駐車場などで使用されることの多い設備です。
(8) 連結散水設備
消火設備とは異なり、「消火活動上必要な施設」の一つで、火災が発生した場合、煙や熱が充満することによって消防活動が難しくなることが予想される地下街や地下階に設置される設備です。
(9)連結送水管
連結散水設備と同様に「消火活動上必要な施設」の一つで、消防隊が本格的な消火活動を行う際に消火用の水を火災が発生した階まで送水するために、高層建築物、地下街等に設置される設備です。
|消火設備用ステンレス配管
消火設備の配管設置基準は、「配管は専用とすること。但し、消火栓起動装置を操作することにより、直ちに他の消火設備の配管への送水を遮断し、当該屋内消火栓設備の性能に支障をあたえないものにあってはこの限りでない。」となっています。
パイプに関しては、「JIS G 3442、G 3448、G 3452、G 3454、G 3459に適合するか、それらと同等 以上の強度、耐食性、耐熱性を有する金属製の管を使用すること。」となっており、JIS G 3448である「SUパイプ」は、使用が認められております。
対して、 管継手は、次に示す規格に適合するか、それらと同等以上のものを使用することとなっております。
(1) フランジ継手
①ねじ込み式継手:B 2220又はB 2239
②溶接式継手:B 2220
(2) フランジ継手以外の継手
①ねじ込み式継手:B 2301、B 2302又はB 2308の うち材料にG 3214(SUS F 304又はSUS F 316に限る。) 又はG 5121(SCS 13又は SCS 14に限る。)を用いるもの
②溶接式鋼管継手:B 2311、B 2312又はB 2313 (G 3468を材料とするものを 除く。)
ベンカンのメカニカルジョイントは、この規格に適合しておりませんが、社内の性能確認試験では同等以上であることは間違いないことから、「一般財団法人 日本消防設備安全センター」の「消防用設備等認定委員会」の審査を受験しております。
結果、ベンカンにおきましては、「消火設備用継手」として、セーフティー機能付プレス式継手の「ダブルプレス」が認定を取得しております。
大きな災害を経験する中で、その防災意識と消火設備の重要性は益々高まっています。
その意味でも、「サステナブル配管」である「ステンレス配管」は注目されており、連結送水管を始め、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備などでも採用されるケースが増えてきました。
是非とも「ステンレス配管のベンカン」にご相談いただき、消火設備へのご採用をご検討願えればと存じます。
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