ライフサイクルコスト
- 2017.03.01
- カテゴリ: 知識|Knowledge
|配管とは
「配管」ですが、「管や継手、バルブなどの機材・機器をトータル的に設計して、液体や気体といった流体を、目的箇所まで適切に配送するシステム」とベンカンでは定義づけております。
その用途ですが、実に様々で、その立場により、実に様々な捉え方ができます。
例えば、住宅の給水配管であれば、人が生きて行く上で当たり前の存在であり、ライフライン(生命線)とも呼ばれる通り、なくてはならない存在です。
その他の用途においても、配管が目的箇所までに適切に流体を配送できなかったら、その施設が役目を果たせなくなるはずです。
配管は、その施設にとって、欠かせない重要な設備であるはずです。
|コストの捉え方
配管は、予算がないからと言って、欠かすことのできない重要な設備のひとつです。
しかし、欠かせないとは言え、コストダウンは誰もが考えることです。
ところが、配管にかかるコストには様々な切り口があり、ここを見誤ると、逆にコストアップになってしまう場合もあります。
例えば、配管の初期費用のことを「イニシャルコスト」と呼びます。
その内訳は、材料費と工事費となります。
配管には必ずメンテナンスが必要であり、そこに要する「ランニングコスト」を考慮せずに「イニシャルコスト」にばかりに、目が行くと大きな過ちを犯してしまいます。
例えば、船舶などの海洋施設では、塩害によって配管のサビも相当のもので、定期的なサビ落としと防食塗装を余儀なくされます。
しかし、最近では、海洋での腐食に強く、防食塗装などのコストの低減につながる特殊鋼管が開発され、対応する同素材の溶接式管継手の開発も進んでいます。
その他の様々な用途においても、「ランニングコスト」を抑えるためのメンテナンスフリーを目指した素材の高耐久配管の開発が進んでおります。
|ライフサイクルコスト
この様に、耐久材である配管の場合、「イニシャルコスト」だけではなく、「ランニングコスト」までを考慮した「ライフサイクルコスト(LCC:Life Cycle Cost)」の考え方が重要視されています。
これは、身近な生活でも言えることです。
「安物買いの銭失い」
安い買い物をしたと喜んでいたら、直ぐに壊れてしまって、また、買い直す羽目になったと言うご経験はないでしょうか?
例えば、戸建住宅では、「高耐久住宅」を提唱されるハウスメーカー様も多いかと思いますが、配管とて、1年、2年で役目を終えるようなものではありません。
住宅の寿命が長くなれば、配管もそれに相当する寿命であることが理想です。
ベンカンが推進しているステンレス配管の特徴の一つが、「高耐久素材」であるところです。
廉価配管の中には、住宅の寿命に対して短期間で破損してしまい、何度も改修工事を余儀なくされるケースもあります。
対して、ステンレス配管であれば、住宅の寿命をも上回るメンテナンスフリー配管も実現可能かと思います。(使用環境により寿命は変化します。)
結果的に、「イニシャルコスト」では高かったステンレス配管が、「ランニングコスト」まで考慮した「ライフサイクルコスト」では、逆転してしまうケースも起こり得るわけです。
|サステナブル配管
近代社会において、「サステナブル(sustainable)」と言うキーワードを頻繁に耳にするようになりました。
直訳すると「持続可能な状態」となります。
そもそもの現代社会はマイオピア傾向に偏っています。
「マイオピア(Myopia)」とは、目先のことばかり考え、「先見の明が無い近視眼的な状態」のこととされています。
産業革命に始まり、高度成長期を経た目先の利益ばかりを求めた結果の現代は、将来的な地球環境の保全が危惧される状態に陥っています。
「ステンレス配管のベンカン」では、「SUSTAINABLE LIFELINE(サスティナブル ライフライン)」を掲げています。
つまり、ライフサイクルコストに優れたサステナブル配管のご提案です。
是非、配管工事の際には、ご検討いただけたら幸いです。
toshinori tanaka