サテライト配管工法
- 2017.12.15
- カテゴリ: 施工|Construction
|建築設計
建築とは、人が何らかの活動するための住居、事務所、施設などの構造物を造り上げることです。
具体的には、企画、調査、計画、設計、施工、そして実際に活動に至るまでの過程全体といえます。
その中で、諸要求や諸条件を調整して、一定の構想のもとに建築造形を具体化するのが設計です。
計画で出された基本構想を基に、基本設計が出され、そこから実施設計となります。
さらに工事現場では、実施設計から、施工に落とし込んだ施工図が作成されることになります。
配管の施工は、実施設計の設備仕様書に沿って配管機材である管種や継手などを選定して、それを用いて施工図に従って行われます。
|管種の選定
近年の建築では、従来以上に要求や条件が多様化し、厳しくなっています。
例えば工事期間です。
工事期間が長くなれば、当然、建築費用が高くなってしまいます。
そのために可能な限り短期工事が要求されます。
また、マンションなどであれば、居住スペースの拡大です。
翻せば、居住スペース以外のスペースを最小限に抑えることなります。
配管は基本的に、壁、床、天井などの内部に隠ぺいされますので、正に、この居住スペース以外に該当します。
実際、これらの要求に応える意味合いもあって、近年では樹脂管と呼ばれる管種の選定が増えてきました。
樹脂管とは、具体的には架橋ポリエチレン管やポリブテン管などの総称となります。
その最大の特徴は施工性の良さです。
金属管と違って多少の可撓(かとう)性がありますので、シビアに寸法取りをする必要がなく、ある程度、省スペースでも施工が可能です。
反面、そこは樹脂ですので、強度、環境条件や経年による性能低下、火災時の可燃性、環境への影響、耐薬品・耐油なども懸念されるところです。
結果、設計段階で、要求と実施環境から、適正な配管の管種等を検討することになります。
|サテライト配管工法
建築からの要求に応える上で、最近、増えてきたのが「サテライト配管工法」です。
これは、強度や耐久性が重要視されるメイン配管をステンレス配管で施工し、分岐部を樹脂管で施工する工法です。
仮に樹脂管の部分でトラブルがあっても、樹脂管の特徴からも容易に更新することが可能です。
また、可撓性がありますので、末端の機器との取り合いも容易になります。
ステンレス配管から樹脂管へ変換する場合は、アダプター部材による、ねじ込み接合となります。
この際にご注意いただきたいのが、ステンレス配管側をメスアダプタとし樹脂管側をオスアダプタを選定していただくことです。
これは、ステンレス鋼に対して、樹脂管のアダプターの素材の硬度が弱いためです。
|JPジョイント変換継手
後々、更新することの必要がない環境で「サテライト配管工法」で施工される場合にお勧めするのが樹脂配管用のプレス式継手である「JPジョイント」です。
そもそも樹脂管と樹脂管を接合する継手です。
しかしながら、その中に、ステンレス配管(JIS G 3448)から樹脂管に変換するアイテムがあります。
つまり、アダプター類を使うことなく、パイプを差し込んで専用締付工具でプレスするだけで、短時間・低コストで接合が可能なのです。
具体的には、ステンレス配管から樹脂管への変換は、20su→16径、13su→13径へ可能です。
尚、ソケットタイプとティータイプを取りそろえておりますので、用途によってご選択ください。
今後も建築あるいは設備工事における要求や条件の多様化は進むものと思われます。
その様な状況下で既存の考えだけで対応するには限界があります。
如何に臨機応変に創意工夫した製品の開発が求められてくると思います。
そのためにも、現場の最前線で施工に当たる皆様の声に耳を傾け、ニーズにお応えした製品づくり、あるいは工法をご提案をさせていただきたいと考えております。