拡管ゴムの取り換え方法「BKジョイントⅡの施工」
- 2021.07.13
- カテゴリ: 施工|Construction
|拡管ゴムの劣化
拡管式継手「BKジョイントⅡ」は、パイプ端部に凸状の拡管部をつくり、継手本体とパイプ側の袋ナットを規定位置まで締め付けることで性能を発揮します。
従いまして、拡管形状が規定寸法でないと正常な継手性能を発揮できないだけでなく、思わぬ事故を招いてしまう可能性があります。
専用拡管工具に付属されている「拡管ゲージ」で、規定寸法に拡管されているかどうかの確認作業は、必ず行っていただかなければなりません。
付属の拡管ゲージを用いての確認作業で、規定の寸法が出ていない場合は、再度拡管作業を行っていただかないとなりませんが、正規の方法で拡管したにも関わらず、拡管不足になる場合は「拡管ゴム」の劣化が原因と考えられます。
拡管作業は専用工具の本体(シリンダー)にパイプサイズに合った「アタッチメント」をセットし行いますが、この「アタッチメント」には白半透明色の「拡管ゴム」が装着されています。
拡管作業の際、「拡管ゴム」が専用工具の油圧により変形することで、パイプを押し上げ半楕円形状に膨らませます。
拡管一回毎にかなり強い力が ”ゴム” に加わることになりますので、「拡管ゴム」は少しづつ劣化していきます。
現場作業が進み、拡管作業を続けると、ついには規定の拡管寸法を確保できなくなってしまうのです。
|拡管ゴムの交換方法
「拡管ゴム」を新しいものに交換しなければなりませんが、この交換作業は、施工いただいている建築現場で容易に行えるものです。
施工講習会開催時には説明しておりますが、以下に交換手順を記載します。
1)ガイドロットの取り外し
付属の六角レンチを使用して、ガイドロットの止めねじを緩めます。
ある程度緩めたら、ガイドロットが回転するようになりますので取り外します。
(取り外しには工具等は必要ありません。使用しないでください。)
2)拡管ゴムの取り換え
劣化した「拡管ゴム」を抜き取って、新しい「拡管ゴム」をアタッチメントに差します。
「拡管ゴム」の奥には、バックアップリングが入っていますので、古い「拡管ゴム」を取り除く際にはバックアップリングが落ちない様に気をつけてください。
バックアップリングが装着されていないと、規定寸法に拡管することはできません。
バックアップリングの装着を確認後、その後に新しい「拡管ゴム」を装着させてください。
(バックアップリングや「拡管ゴム」には上下裏表はありません)
3)ガイドロットの締め込み
ガイドロットを最後まで締め込みます。
正規に締め込んでも、写真のように「拡管ゴム」の位置には多少のスペースがありますが、大きくスペースがある場合は締め込み不足です。
締め込みが不足していると、拡管しても規定寸法となりませんので注意してください。
4)止めねじの締め込み
最後に、止めねじを確実に締め込みます。
六角レンチを使用して、時計回りに止めねじを締め込んでください。
(止めねじは各サイズ毎に専用となっていますので、無くさないようにご注意ください)
*アタッチメント部品の種類や組み込み順は 13~60Suまで全サイズ同じですので、組み込み方がわからなくなった場合は、他のサイズのアタッチメントを確認してください。
工具箱にも組み込みに関する記載がありますのでご覧ください。
(写真は専用拡管工具「BKD-04型」のアタッチメントです)
「拡管ゴム」の交換目安は、サイズにより異なりますが約150回です。
拡管するパイプの管端部のバリ取り、面取りが不十分な場合は「拡管ゴム」を傷付け、寿命が短くなりますのでご注意ください。
「BKジョイントⅡ」専用リース工具には、予備の「拡管ゴム」はセットしておりませんので、継手の使用数(拡管回数)に応じて、交換用の「拡管ゴム」をあらかじめご購入いただいておくことをお薦めします。
Takahiro Suzuki