前橋市労働教育委員会様のご視察
- 2019.10.09
|前橋市労働教育委員会
前橋市(まえばしし)は、群馬県の県庁所在地であり、文字通り県を代表する中核都市です。
県の中南部に位置し、ベンカンの本社・MJ工場のある太田市からは、直線距離で西に約60km離れている関係です。
それ故に、産業の振興と雇用の安定に対する取り組みは活発であり、産業経済部管掌の前橋市労働教育委員会は、企業経営者、学識経験者などで構成され、労働問題や前橋市の雇用施策等について提言を行う審議会としてご活動されております。
その一環として、企業視察等による情報収集による雇用対策の各事業に関する提言活動も積極的です。
そして、この度、その活動の一環の企業視察として、ベンカンを指名いただき、総勢17名の皆様にベンカンの本社およびMJ工場をご視察いただきました。
今回の視察目的は、主に外国人雇用についての人事労務対策、外国人技能実習生制度の活用状況、現在に至るまでの色々な経験・苦労・工夫などのご確認となりました。
前橋市 https://www.city.maebashi.gunma.jp/
群馬県前橋市大手町二丁目12番1号
電話(代表) 027-224-1111
|グローバル人材の育成
群馬県は、全国的に見ても総人口に対する外国人の占める割合が高く、ベンカンの本社およびMJ工場がある群馬県太田市を含む東毛地域(群馬県の東側)は、特に割合の高い状況です。
そもそも、この地域は、現在でも大手製造業も含め多くの製造業が集中する「ものづくりの町」として発展して来た歴史があります。
同時に労働力不足が課題となり、海外、特にブラジルを中心とした日系外国人の方々の力をお借りしたという歴史があるからなのだそうです。
その様な環境から求人を募集すると外国人の応募が自然と多い状況でした。
しかし、最初から積極的に外国人を雇用してきた訳ではなく、寧ろ、敬遠していた時期もありました。
原因は、言葉の違いなどのコミュニケーションの取り難さだけではなく、勤怠問題でした。
給与を支給した翌日から出勤して来なかったりの無断欠勤や仕事に対する無責任さが目立ったのです。
それでも、懲りずに採用し続けた結果、真面目に、責任感を持った方々も現れ始めます。
すると不思議なもので、その方の紹介などで雇用した方も、やはり真面目で、責任感があるのです。
現在は、その良い意味での連鎖から、多くの日系外国人の方々の雇用が増え現在に至ります。
また、現在では、2014年から導入した外国人技能実習生制度を活用し、ベトナムから実習員の受入れも行っています。
結果的に、ベンカン本社およびMJ工場では43名の外国人従業員が働いており、その国籍もブラジル・ペルー・フィリピン・ベトナム等と多様です。
正に諦めることなく、グルーバル人材の採用と育成を継続してきた結果なのかと思います。
この取り組みは、NHKのテレビ特集で取り上げられ、今回も、前橋市労働教育委員会の事務局の方の目に留まり、ご視察が決定しました。
|視察内容
視察では、最高執行責任者の我妻とMJ工場 工場長の塚田からグローバル人材育成の経緯をお話しさせていただきました。
その後、ベンカンの事業内容をご説明させていただいた後に、外国人従業員が従事しているMJ工場をご見学いただきました。
ご見学いただいたMJ工場内で働く外国人従業員たちの姿をご覧いただき一様に高い評価をいただけたことは、私たちにとって非常に光栄でした。
また、外国人従業員を雇用する上での苦労は何かとのご質問も多数いただきました。
文化や環境、言葉の違いでコミュニケーションが取り難いことが最大の苦労です。
それは、生産性にも大きく影響してきます。
しかし、それ以上に、注意したのは「安全」と「衛生」です。
コミュニケーションが取れないために災害を発生してしまったり、体調不良から大病に発展してしまっては、生産性どころではありません。
そこは、日本語の話せる外国人従業員に通訳をお願いしたり、注意書には、日本語だけではなく、各国の言葉で表記したり、目から訴える感受性教育を継続して実施するなどを行いました。
この取り組みは、今後も継続して行きたいと思います。
|ベトナムからの実習員
最後に、外国人技能実習生制度を活用して、ベトナムから来て従事している二人に挨拶してもらいました。
二人は、まだまだではありますが、社内の日本語教育や自習で培った日本語で挨拶してくれました。
この外国人技能実習生制度をご活用される企業は増えているのではないかと思います。
同時に様々なトラブルも耳にします。
ベンカンでは、ベトナムにあるグループ企業であるベンカン・ベトナムで就業経験のあるスタッフから募集して、日本で受け入れています。
つまり、ある程度、その人柄や素行までもを理解した上で受け入れているのです。
また、実習員たちも、ある程度、携わった仕事であったり、既に職場の先輩が日本で働いているなど、仕事に馴染み易い環境がつくれていると思います。
それでも、予想外の問題がないとも言いませんが、受入企業として対処できる(すべき)ところ、実習生自身が頑張って乗り越えてきてくれ、結局は相互理解の上でお互いが問題点を乗り越える努力をしてきた結果、今の良好な関係が築けていると思っています。
ベトナムからの実習員は、これまで4期・計22名を受け入れ、現在も2期生から4期生まで15名が、一緒に働いています。
まじめで勤勉なベトナム人の気質もあり、技能習得は目覚ましいものがあります。
https://www.benkan.co.jp/value/management/12516.html
短い時間でしたが、我々の取り組みやお話しが少しでも前橋市にとってお役に立てれば幸いです。
なお当日は鉄鋼新聞社様に同行取材をお願いし、10月7日(月)の鉄鋼新聞2面で紹介していただきました。
中島 一秀 (Kazuhide Nakajima) 営業部 インサイド営業課 担当課長