研究開発の方向性
ベンカンでは、「研究開発」を「基礎研究」と「開発研究」に分けて捉えております。
新製品の開発などが「開発研究」に該当しますが、何もないところから創造すると考えている方々は少なくありません。
しかし、「開発研究」とは、「基礎研究」があって成り立つと考えています。
極論ですが、「基礎研究」なくして、「開発研究」は成立しません。
「開発研究」は、「基礎研究」を始めとした既存の要素の新しい組み合わせであるという考えです。
つまり、ベンカンにとっての「研究開発」は、「基礎研究」と「開発研究」の両輪であると捉え推進しております。
また、総合的に考えても、これらを推進するには、技術者の育成が欠かせません。
基礎研究
近年の日本の製造業の「研究開発」の停滞は、「基礎研究」の伸び悩みが原因との意見があります。
しかし、逸早い成果が求められる傾向にある現代では、どうしても即効性が期待されてしまいます。
「基礎研究」とは、既存の事象を、より深堀りした研究をすることで、その価値を拡大させる取り組みです。
つまり、基礎研究とは、何度も何度も同じ試験を繰り返すことで、その事象の、より正しい答えを導き出すことが目的となります。
また、新製品の開発においても、「基礎研究」は重要視されます。
「設計」→「試作」→「検証」を繰り返し行い、規格基準値に合格することは元より、より厳しいレベルの性能の確保を目指して取り組んでおります。
何事でも同様ですが、基礎があって応用が成り立ちます。
正直、ジレンマではありますが、現在だけではなく、未来を考えた配管の開発のためにも基礎研究の重要性を再認識して取り組んでまいります。
開発研究
顧客が求める顕在的ニーズに応えることであり、更には顧客すらも気づいていない潜在的なニーズに応えることが「開発研究」であるといえます。
そのために日頃から蓄積した「基礎研究」のデータを基に、イノベーションともいえる新製品を創造に取り組んでおります。
近年、開発研究に関する環境が飛躍的に向上しています。
例えば、従来、2次元では表現できなかった複雑な形状も、3次元CAD、3Dプリンター、3次元測定器の導入により、設計や試作段階から、より具体的な形状確認が可能となり、開発段階での精度が飛躍的に高めっています。
メカニカルジョイントで性能に大きく関係するシール材に関しても、基礎研究による結果から、検証・評価を実施し、用途や環境に応じたシール材の改良、開発を進めております。