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コラム

「EGジョイント」の使用前にチェック!施工上の注意点

  • 2023.08.31
  • カテゴリ: 施工|Construction

|EGジョイントの施工上の注意

 

EGジョイント(横長)

EGジョイントの最大の特長は、専用工具が不要で、継手本体にパイプを差し込むだけで接合が完了することにあります。

とても施工性に優れた製品ですが、それだけに施工上の注意点は確実に守っていたくようにお願い致します。

 

EGジョイントの施工上の注意を、最近の施工不適合事例も含めてまとめさせていただきました。

 

 

◇施工時の5大注意事項◇

 

①パイプの切断

一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448):ロータリーカッタで切断してください。

配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3459):ハンドソーで切断してください。

*EGジョイントには、一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448)対応の「Suタイプ」と配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3459)対応の「Aタイプ」

 があります。

 

②パイプの切断面の面取り

パイプの切断面は、リーマーやヤスリ等で面取りしてください。(C 0.5)

 

③シリコンスプレーをパイプに塗布する。

パイプの差し込み面に、シリコンスプレーを塗布してください。

 

④ラインマークまでパイプを差し込む。

パイプにラインマーカーで差し込み代をマーキングして、パイプのラインマーク(差し込み代)まで、継手本体にゆっくりと差し込んでください。

 

⑤配管が曲がらないように支持・固定する。

配管に異常な力が加わって曲がらない様に配管を支持・固定をしてください。

また、EGジョイントのは、回転稼働機能がありません。

角度調整程度は問題ありませんが、極端な角度や頻繁に回転させるなどすると、内蔵されたシール材が捻じれたり、切れたりして漏水する可能性がありますのでご注意ください。

 

 ◇注意点◇

EGジョイントの構造上、継手が水中に没する配管、雨ざらしの箇所、その他、継手が水(上下水、雨水結露、洗浄水など)で

 濡れる可能性がある配管には使用できませんのでご注意ください。

基本的に EGジョイントは、屋内配管用の継手 です。

 

 

 

|EGジョイント施工時の不適合事例の紹介

 

実際の現場で見られた、施工の不適合事例をご紹介します。

 

①パイプの差し込み不足

差し込み不足による不適合ケース(左下)です。

パイプの差し込み状況を確認すると正規位置から13mmもの差し込み不足(右下)であることが判明しました。

パイプの差し込み代がマーキングされていないのが、差し込み不足の一番の要因です。

必ず、差し込み代のマーキングを行い、ラインマークまで差し込みことを意識してください。

L I F E L I N E-EG不適合① L I F E L I N E-EG不適合②

 

②パイプの管端処理不備

次に、パイプの切断面の処理が不適切であったための不適合ケースです。

左下の写真はロータリーカッターでの切断時に、早く切断しようと強引に刃を送ったためか管端が偏平しています。

下中央の写真は、面取り不足のために切断面の角が立っています。

この様な切断処理の不備のパイプをそのまま継手本体に差し込んでしまうと、シール材(ゴムリング)を切ってしまったり、適正のシール効果を得られない場合があります。

一般配管用ステンレス鋼管(JIS G 3448)ならば、切断する際には、必ず ロータリーカッターをご使用くさだい。

その上で、シール材を傷つけたり、切ってしまわないように、切断面の面取り処理を必ず行ってください。

加えて、パイプを継手に差し込む際は、必ずシリコンスプレー塗布していただき、仮に通常よりも硬い感触があった場合は、そのまま強引に差し込むのではなしに、一旦、パイプを抜いていただき、継手中のゴムリングの状態を確認していただける様にお願いいたします。

パイプ切断不良 L I F E L I N E-⑩

 

|その他、最近増えている施工の不適合事例

 

その他、EGジョイントに限ったことではなく、共通事項として最近増えている注意点もご紹介します。

シール材適用不備による漏水事例です。(液状シ-ル材とシールテープを併用した場合、各々の性能が発揮されない場合があります。)

L I F E L I N E-14

 

 

ここでご紹介した施工上の注意は、あくまでも事例を元とした一部でしか過ぎません。

実際には、必ず、弊社による施工説明会を受講していただき、それに則った施工をしていただくことをお願いいたします。

 

 

|品質管理からアフター管理までベンカンにお任せください

 

品質とは、本来備わっている製品の性能であって、それを満たしていることを言います。

それ故に、品質保証に関しても、製品に起因することだけに焦点が当たる傾向にあります。

ベンカンでは、TQM(総合品質マネジメント:Total Quality Management)による品質保証体制の構築に取り組んでいます。

 

TQMとは、製品の品質管理ばかりではなく、上流の源流管理から下流のアフター管理まで、品質をトータルでつくり込みすることです。

ベンカンが扱うメカニカルジョイントは、製品単品では配管として成立しません。

施工業者様の手によって施工いただくことで、初めて配管として完成します。

 

人間の行動特性には、計画された一連の活動の中で、意図した結果を得ることの妨げとなる予期せぬ行動、つまり、ヒューマンエラーがあります。

ベンカンではアフター管理として、ヒューマンエラーを施工時に発生させないことが重要な使命と考えています。

今後も、より良い製品づくりと、正規の施工方法のご説明に努めさせていただきますので宜しくお願い申し上げます。

 

TQM(総合品質マネジメント)

 

篠田 直明(Sasata Naoaki)  執行役員(製造部・技術部 管掌)

 

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