ダブルプレスの安全機能を解説。モルコジョイントとの違いは?
- 2023.12.10
- カテゴリ: 製品|Products
|セーフティー機能付のダブルプレス
ベンカンの一般配管用ステンレス鋼鋼管対応のプレス式継手には「モルコジョイント」と「ダブルプレス」の2製品があります。
プレス式継手は、規定位置までパイプを差し込んで、専用締付工具でプレスすることで接合が完了します。
従いまして、「施工時間の短縮」、「均一施工」、「火気不要」、「クリーンワーキング」、「軽量配管」など、様々なメリットを擁しています。
ところが、「モルコジョイント」の場合、差し込み不足(ラインマークを施せば防げる)や、プレス位置の間違い(ゲージで確認可能)による漏水や脱管などの不具合があった事も事実です。
そこで、1991年に開発されたのが、セーフティー機能付プレス式継手の「ダブルプレス」です。
|ダブルプレスとモルコジョイントの違い
次の画像をご確認ください。
画像の上の「モルコジョイント」は、シール材が装填された凸部の内側を1箇所だけをプレスしています。
対して、画像の下の「ダブルプレス」は、シール材が装填された凸部の両側2箇所をプレスしていることがご確認いただけるかと思います。
セーフティーエッジ
どちらも一度のプレス作業で、「モルコジョイント」は1箇所、「ダブルプレス」は2箇所プレスされます。
「ダブルプレス」は、セーフティーエッジ側もプレスする事で、万が一差し込み不足があったとしても、パイプの管端がゴムリングを通過していれば漏水もありませんし、パイプが脱管する事がありません。(予定していた長さとは異なる寸法になってしまうが、ラインマークを施せば防げる)
セーフティー凹凸リング
また、「ダブルプレス」のOリングは、一部に特殊な凹凸加工をしておりますので、水圧試験を掛けることで、仮にプレス忘れがあればリーク量が多いために発見することが可能となります。(写真参照)
セーフティーエッジ&セーフティー凹凸リングを合わせて「セーフティー機能」と呼んでいます。
この安全機能により、「ダブルプレス」には、施工時のヒューマンエラーを可能な限り抑止できる製品になっています。
|需要の違い(一元管理可能か、施工管理か)
一時期は、同じコンセプトの製品であることから、「モルコジョイント」を廃版として、「ダブルプレス」に一本化させようと考えたことがありました。
確かに外観上は酷似した製品ですが、それこそが、プロダクトアウト発想であると自戒しました。
「モルコジョイント」は、一元管理が可能な現場を中心に、現在も安定した需要量を保っております。
対しまして、「ダブルプレス」は、セーフティー機能の他に、拡管式継手で懸念される袋ナットの緩みなどの問題もないことから、大型案件や短工期を中心とした施工管理が難しい現場を中心に、年々需要量が拡大しております。
今後ですが、「ダブルプレス」へ一本化するのではなく、よりユーザーの皆様にご支持いただける製品へと改良を加えてまいります。
結果的に一本化するかもしれませんし、新しいプレス式継手を開発させていただく可能性もあります。
ご期待ください。
|プレス式継手の将来性
プレス式継手ですが、「モルコジョイント」や「ダブルプレス」などの偏見ではなく、ベンカンにとってのUSP・バリュープロポジション(強み)であると捉えております。
銅配管からステンレス配管に変換する「CS変換ソケット」、樹脂管対応「JPジョイント」、銅管対応「CUプレス」などにも展開しております。
更には、空調分野からのニーズにお応えするため、冷媒銅配管対応の「冷媒ダブルプレス」の販売も開始しました。
今後も、「モルコジョイント」や「ダブルプレス」のように、ユーザーの皆さまにご支持いただけるプレス式継手の開発と供給に努めてまいります。
futoshi miyamoto