ワーク・ライフ・バランス「スポーツ」
- 2012.12.10
|ワーク・ライフ・バランス
新しい働き方のスタイルとして、「ライフワーク」という言葉もよく耳にします。
ワーク(仕事)とは、人の暮らし、ライフ(人生)を経済的に支える存在です。
対して、「ライフワーク(lifework)」とは、仕事を経済的な存在だけで捉えていません。
人が人生を捧げた生涯の仕事であったり、生きがいを感じる仕事、仕事を通じての喜びであり、天職などとも捉えられるようです。
しかし、一概に「ライフワーク」を美化し過ぎて捉えては、一つ間違えると、仕事以外の生活に支障を来す問題も抱えていることも理解しなければなりません。
ワーク(仕事)とは、ライフ(人生)の一部として、成り立つものであって、なおかつ、その存在で人生を支える存在でもあるのだと思います。
それを故に、ワーク(仕事)とライフ(人生)の調和といえる「ワーク・ライフ・バランス」が重要視されます。
例えば、ワーク(仕事)と調和させるライフ(人生)における存在の一つにスポーツがあります。
もちろん、職業によっては、スポーツそのものがワーク(仕事)になっている方もいます。
スポーツですが、東京オリンピックの競技数だけでも、33競技ある通り多種に渡ります。
故に、野球、サッカー、卓球、競泳、フィギュアスケート、柔道、ラグビー、スキージャンプ、相撲・・・これらを一口にスポーツとして捉えてしまって良いものかと思うくらいです。
既に私たちにとって、切っても切れない存在であるスポーツを考えてみます。
|スポーツの歴史
例えば、歴史あるスポーツにゴルフがあります。
その発祥説は様々なれど、14世紀頃、スコットランドで羊飼いたちの間で退屈を紛らわすためにゴルフに似た遊びを始めたとされるものがあります。
18ホールになったのも、寒さ凌ぎに飲んでいたスコッチが18ホールでなくなったからなどと言う説があるくらいです。
対象的に、日本発祥の柔道は、嘉納治五郎師範が、人間教育の手段とすべく、戦国武術に通じる柔術の原理を研究し、ルールに基づいて体系化したものです。
そして、嘉納師範は、柔道に限らず日本のスポーツ発展に貢献された教育者として「日本の近代スポーツの父」とも呼ばれています。
このように同じスポーツでありながら、遊びから生まれたものや教育のために生まれたもなど、発祥の経緯や目的は様々なです。
スポーツ(sport)の語源は、運ぶ、移す、転換などから転じた「気分転換」的な意味合いのラテン語の「deportare」です。
これが、フランス語の「気分を転じる、楽しませる、遊ぶ」という意味の「depoter」、「desporter」に置き換えられ、16世紀に英語で「sport」になったとされています。
つまり、「スポーツ」とは身体を動かし、楽しむものであって、競技と限定されるものでもありません。
むしろ、近代スポーツが競技志向が強くなり、勝ち負けに拘り過ぎているのかもしれません。
極論ですが、生涯、スポーツを続けることが長生きにつながるとの研究結果もあるそうです。
実際に周りにも60歳を超えても元気に、テニスなどに励まれる方々が少なくありません。
そこには、身体的な健康だけが要因ではなさそうです。
|スポーツの意義
社会人であれば、尚のことですが、仕事によるストレスを発散させるには「スポーツ」は最高の機会です。
しかし、ここに必要以上に勝ち負けや上手くできたか、出来ないかを考え過ぎると、本来の「スポーツ」の意義から逸脱してしまうのかもしれません。
先般、初めてヨガを体験しました。
私は元々、アスリートでしたし、現在でも一般の方々よりは体力やバランスには自身があります。
しかし、その私が数分で汗と冷や汗で、悪戦苦闘することになるのです。
その際、インストラクターがおっしゃっていた言葉が心に響きました。
「確固たる信念を持って努力を続けること。そして、結果には執着しないこと。」
人によって、捉え方も違うのかもしれませんが、まず以て、努力は結果(未来)に執着して、妥協せずに取り組むべきと考えます。
但し、その上での結果(過去)には執着しないことが大切なのではないかと思うのです。
これによって、努力と結果を楽しむことが出来るのかと考えます。
スポーツは、理論であったり、チームワークであったり、体育であったり、教育にもなりますが、それ以前に楽しむものであると言うことです。
そうなると、観戦することも最高のストレス発散の機会になります。
私は、スポーツがネガティブなものを生み出す存在になって欲しくないと思っています。
技術を極め、身体を鍛えることを通して、誰にとっても、ポジティブな心を齎す存在であって欲しいと願っております。
結果、それが生涯スポーツにつながって行くのかと思います。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長