マネジメント「パラダイムチェンジ」
- 2012.12.24
|マネジメント
組織とは、共通する目的を達成するために情報を共有して貢献し合う個の集まりです。
故に、その組織の成員である個々は例外なく、共通目的を達成するために行動しなければなりません。
ところが、その個々のスキルや意識などにバラつきがあるのも事実です。
そのため組織が、その共通目的を達成させるため必要な指針が、ミッションであり、達成させるための機能がマネジメントです。
そもそも人は、何らかの欲求を満たすことために行動します。
しかし、その行動を現状を現状のまま維持したいと思う無意識の欲求である現状維持バイアスが妨げます。
マネジメントでは、組織や個人に根ざすこの現状維持バイアスを打破し、目的を達成するための行動に結びつけることが重要になってきます。
|サンタクロースのミッション
クリスマスが近づくと必ず思い出すのが、「サンタクロースのミッション」のお話です。
この話は、もう、ずいぶんと前になりますが、あるセミナーに参加した時に教えていただきました。
そもそも、サンタクロースのミッションとは何なのかです。
それを、「クリスマスに、子供たちへプレゼントを届けること」としたらどうかです。
そうなると、当事者であるサンタクロースは、このミッションをどう受け取るのかです。
「仕事だからプレゼントを届けるけど、ホントは寒いし、夜中だし、忙しくって、心身ともに疲弊して、やってられない。」
と受け取ってしまうかもしれません。
しかし、サンタクロースの仕事とは、そのような内向きな利己的な考え方、つまりは、プロダクトアウトの発想で成り立たせて良いのもなのかです。
顧客である子供たちは、こんな考えのサンタクロースから事務的にプレゼントをもらって、嬉しいのでしょうか。
このような、やらされる仕事で、サンタクロースのミッションを果たしたと言えるのでしょうか。
サンタクロースたちが果たすべきミッションとは一体、何でしょうか。
|パラダイムチェンジ
マネジメントによって果たすべき企業のミッションは、「顧客の創造」であるといわれています。
対して、内向きで利己的なプロダクトアウトの発想で、「顧客の創造」は達成できるのかです。
少なくとも、「クリスマスに、子供たちへプレゼントを届けること」というやらされる仕事で届いたプレゼントに子供たちは、心から喜んでくれるでしょうか。
パラダイムチェンジあるいは、パラダイムシフトという概念があります。
パラダイムとは、モノ事の考え方のことです。
つまり、モノ事の考え方を良い方向に切り替えることと捉えて良いでしょう。
その概念から、プロダクトアウトの発想のミッションをパラダイムチェンジしてみます。
「クリスマスに、子供たちへプレゼントを届けること」
↓
「クリスマスに、子供たちへ愛を届けること」
揚げ足をとる人は、単なる言葉遊びと指摘するかもしれません。
しかし、切り口を変えただけで、やらされ仕事が使命感のある仕事に変わります。
サンタクロースのミッションは、「プレゼントを届ける」ことではなく、「愛を届ける」こと。
この切り口を変えたパラダイムの違いで、「働く人の意識」と「顧客に届く価値感」は180度、異なってくるのです。
ベンカンを含めた企業の目的は、「顧客の創造」といわれています。
そして、それを実現させるためのベンカンのミッションは、「現在だけでなく未来を考えた 配管の開発と供給を通して信頼ある ライフラインの構築を提案すること」です。
サンタクロースのミッションのように、顧客の皆様に価値観(=ベネフィット)をお届けできるよう、取り組んで参ります。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長