「NOK」様
- 2017.07.12
|ゴムシール材
ベンカンのメカニカルジョントの多くは、内蔵されたゴム材で流体をシールしています。
ベンカンと致しましては、100%内製化を目指しているものの、ゴムシール材に関しては、専業メーカー様に生産を委託させていただいております。
例えば、「NOK株式会社」様です。
「NOK」様は、国内初のオイルシールメーカーとして自動車業界をはじめとした多岐に渡る産業発展に貢献されております。
その始まりは、1939年、神戸の「町工場」だったとされます。
それから現代に至るまで、強みである高度なシール技術から生み出されるオイルシール、メカニカルシールをはじめとする機能部品(製品)、そして、それに関連する技術力、ノウハウによって信頼の高い企業として発展されました。
また、それらの得意分野をさらに磨きあげた新規事業にも取り組まれております。
例えば、国内初となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)付ガスケットの生産では、電子機器の小型・軽量化、高性能化に大きく寄与されたとのことです。
更に2004年からは、今後の安定的な発展を期した新たな事業として、主に複写機に使用されるロール事業にも進出されております。
|オープンイノベーション
ベンカンでは、100%内製化を目指しているため、ゴムシール材に関する開発に積極的に取り組んでいます。
しかしながら、配管におけるシール材の製造は高度な技術とノウハウを要するため、完全な内製化は難しい課題です。
この課題に直面する中、ベンカンは「NOK」様との協力関係を築き、オープン・イノベーションの枠組みを活用しています。
この取り組みは、お互いの得意分野を最大限に活かし、新たな付加価値を生み出すためのプラットフォームを提供しています。
ベンカンの開発部門と「NOK」様の設計部は、技術的な意見交換を行い、シール材の材質、形状、耐久性、汎用性などの課題に取り組んでいます。
このプロセスを通じて、互いの強みを結集し、市場における革新的な製品開発を目指しています。
|ベンチマーキング
製造業において、ベンチマーキングが重要である理由は数多くありますが、その中でも特に品質管理(QC)体制や検査体制は大変興味深いです。
例えば、ゴムシール材などの製品は、厳密な寸法精度と素材管理が求められます。
その品質管理の実践を探求する中で、人員、設備、時間、空間といった複数の側面において、これらの基準がどれほど徹底的に追求されているか、またそこに業界トップである要因があることを感じました。
「NOK」様の国内外に及ぶ広範な事業展開には及ばないかもしれませんが、ベンカンの製造体制は国内のMJ工場と海外のベンカン・ベトナムを有しております。
複数の拠点間での連携や海外工場の強みを最大限に活用する手法が非常に参考となりました。
今後は、単にゴムシール材の生産を委託するだけでなく、製造、開発、そして経営戦略についても含めたベンチマーキングを通じて、継続的なパートナーシップを築いていきたいと考えています。
NOK株式会社
東京都港区芝大門1-12-15
松本 光希(Mitsuki Matsumoto) 開発技術課