製造設備「オートメーション技術」
- 2023.09.28
|マネジメント
マネジメントとは、組織における目的、目標を達成させ、その成果を高めるためのものです。
その中で、より少ない資源で、付加価値の最大化を目指して生産性を高めることが重要でした。
特に経営における資源の筆頭でもある人材のマネジメントは重要です。
人間は疲労により、勤務時間には限界があります。
また、ヒューマンエラーと呼ばれる避けることができないミスが生じます。
そこで、限界ある人間の作業を補う手段としてオートメーション化が進められて来ました。
オートメーションとは、ある機構や機器が人手の介入を要することなく、自動的に制御、動作、連携することです。
ロボットやAI(人工知能:Artificial Intelligence)に作業を任せることで人間の長時間労働を防ぎ、作業品質の均一化が可能となります。
ところが、現代では事情が変わって来ました。
生産性を高める以前に、資源であるはずの労働力そのものの確保が困難になってきたのです。
現在は、生産性の向上だけではなく、労働力不足を補う意味でも、オートメーション化は、工業分野に留まらず、様々な分野で進んでいます。
また、それに伴い、オートメーション技術も著しく進歩しています。
今後は、社内事情とオートメーション技術を如何に適正化させ、生産性向上と労働力不足の課題に対処して行くかがマネジメントとして重要になっています。
|産業用ロボットの種類と特徴
産業用ロボットとは主に製造現場の生産ラインにおいて、自動化や効率化を目的として導入されるロボットのことです。
産業ロボットは、作業の種類や産業分野、サイズ、関節の数などによって分類されます。
1.垂直多関節ロボット
現在、最も普及しているタイプの産業用ロボットです。
垂直多関節型は、人間の腕の構造に近いロボットです。
動きの自由度が非常に高く、回り込んでの作業も得意ですが、制御はやや複雑になります。
2.水平多関節ロボット(スカラロボット)
水平方向の動きに特化したロボットです。
関節の回転軸が全て垂直に揃っているため、アームの先端は必ず水平面内を移動。
高速に移動して平面上の位置を決めてから、先端部を上下に動かす仕組みになっており、平面的な作業に向いています。
3.パラレルリンクロボット
前述の多関節型は関節が直列(シリアル)に繋がったタイプでしたが、パラレルリンク型は並列(パラレル)に配置されたロボットです。
一般的には、3本のアームで先端部の位置を制御する方式が多く、ベルトコンベアで流れてくる製品の整列や選定などに利用されます。
可動範囲はやや狭いものの、各関節が直接、先端を制御するため、非常に高速に動けるという特徴があります。
4.直交ロボット
3次元の動きを回転ではなく、縦、横、高さという3方向の直交するスライドのみで実現するロボットです。
作業範囲に対し、設置面積が大きくなりがちですが、精度が高く、制御が簡単という特徴があります。
重量物の搬送などに利用されています。
MJ工場でも、産業用ロボットの導入を積極的におこなっています。
主に導入しているのは垂直多関節ロボットですが、水平多関節ロボットや直交ロボット等も導入しています。
その他にも、パーツフィーダと呼ばれる、各種ワーク(部品・部材)を入れたボウルに振動を加えることで、自動的にワークを一定の姿勢に整列させて、組立機や包装機、検査機など次の工程に供給する自動部品供給装置等も導入しています。
これらは、設備メーカーに導入および設置を委託するのではなく、可能な限り社内の製造技術課が行っています。
単純に経費節減もありますが、社内で設置することによって、何らかのトラブルが発生した際に、迅速に対応が可能となると考えてのことです。
これは、技術者としての拘りでもあります。
https://www.benkan.co.jp/column/21880.html
|人とテクノロジーの共存
近年、急速なテクノロジーの進化により、様々な産業や分野でオートメーション化が進んでいます。
このオートメーション化の進歩は、生産性の向上や効率化、品質の向上などの多くのメリットをもたらしています。
ですが、同時に未来の働き方や社会における影響も考えるべき重要な課題となっております。
オートメーション化の進行によって、単純で繰り返しの多い作業はロボットやソフトウェアによって担われるようになります。
これにより、人の役割が減少することによる雇用の不安や、スキル不足が浮き上がる可能性もあります。
ここで重要なのは、オートメーション化は一種のツールであり、人間とテクノロジーが相互補完的な関係を築くことが求められる点です。
オートメーション化は人間の仕事を奪うものではありません。
むしろ、今まで人力でなければ対応できなかった簡単な業務や作業を機械に任せることで、人間の負担は軽減され、よりクリエイティブな業務に集中できます。
オートメーション化によって得られる大量のデータを解析し、仮説を立てて検証することや戦略的な意思決定、そういった人間の洞察力や創造性が求められる作業は人間に残されていきます。
そして、教育やスキルの重要性も増しています。
オートメーション化によって求められるスキルが変化し、人間がテクノロジーとともに成長していく必要があります。
教育システムは、未来の労働者が必要とする柔軟性のあるスキルや、学際的な能力を育む方向に進化する必要があります。
オートメーション化の未来は確かに挑戦を伴いますが、適切な方向性を持ちながら進んでいくことで、より持続可能な社会と労働環境を築くことができるはずです。
星野 雄輝 (Yuuki Hoshino) 製造部 製造技術課