経営「ガバナンス」
- 2012.12.22
|経営理念
人は、社会やコミュニティ、または個人の特定ニーズを満たす上で、一人で成し遂げることができることには限界があるために、何らかの組織を形成します。
そして、企業を含めた、それぞれの組織は、それぞれ特有の目的を果たすために、社会の中で様々な活動を繰り広げます。
現代は、環境問題の深刻化、経済格差の拡大、企業の不祥事などを背景に、社会的責任(CS:Social Responsibility)の重要性が高まっています。
そもそも、組織や個人が、自らの利権や効用目的だけで行動することは許されるものではありません。
翻せば、組織や個人の利権や効用が、他の組織や個人に対して損害や危険を与える可能性もあるということです。
つまり、SRとは、組織や個人は、社会において望ましい組織や個人として行動すべきであるという考えです。
マネジメントで著名な、P・F・ドラッカー氏が、その書籍の中で「企業も組織であり社会の機関である以上、社会やコミュニティ、個人のニーズを満足させることが目的となる。」と示しています。
つまり、企業にとってのSRである「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」も重要な課題です。
CSRは、企業の社会における存在意義であるパーパスを左右します。
つまり、企業が、持続性のあるサステナブル企業になるためには、その社会的責任を果たすための活動を経営に組み込んでいくことが必要となっています。
|ESG経営
企業が自発的に取り組むCSRに対して、昨今では、社会が企業に対して、ESGを求める傾向も強まってきました。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を意味します。
そもそもは、2006年に国連によって発表された責任投資原則(PRI)の中で、企業への投資判断の観点として、新たな観点として取り上げされたことによります。
企業が成長するためには、その根源ともいえる資金が不可欠です。
対して、責任投資原則(PRI)は、投資分析と意思決定のプロセスに ESG の課題を組み込むことがコミットされています。
つまり、企業への投資では利益を得ることだけに偏ることなく、環境や社会全体にも利益をもたらす持続可能な国際金融システムの構築を目指しています。
過去の経済発展の背景には、環境保全・保護、社会貢献、コンプライアンスなどを蔑ろにしていた部分があったことは否定できません。
しかし、これからの時代では、このような問題と向き合わない様な企業では、社会からの信用を失い、結果的に持続的な成長を実現することは難しいといえます。
対して、ESGに取り組むことは、企業が社会的な信用を得る条件にもなってきます。
結果的に資金などの協力が集まり易くなり、企業の持続的な成長、サステナブル企業の実現に繋げることが可能となります。
|ガバナンス
ベンカンとしては、2016年に改訂した企業理念にも折り込んでいる通り、CSRの一環としてSDGsに取り組んでおります。
対して、これまでは、ESGを具体的に掲げた取り組みはして来ませんでした。
しかしながら、今後は、社外からの協力、場合によっては、投資なくして企業は発展できない時代だと考えています。
そうなると、社内からの一方的な取り組みの発信だけではなく、社外から求められることに対応して行く姿勢も重要だと捉えています。
そうなると、ESGが正にその様な存在になってくるのかと思います。
真っ先に掲げなばならないのが、コンプライアンスではありますが、流石にここは、これまでも徹底しておりますし、今後も継続して参ります。
その上での、E(環境)とS(社会)に関しては、CSRの一環として、これまで通り、出来ることから積極的にSDGsへの貢献に努めて参ります。
課題は、ガバナンスです。
一般的に、ガバナンスとは、統治や支配を意味し、捉え方によってはネガティブなワードになりがちです。
しかし、ESGのコーポレートガバナンスは、あくまでも、企業が健全な経営を行う上での管理体制を意味します。
まずは、先述の通り、コンプライアンスに関しては、例外なく対処致します。
従来、組織のやるべきことを疎かにして、部署や個人のやりたいことを優先していた傾向もありました。
そこに決して過度なエゴイズムが働いていた訳ではありませんが、組織の統治が取れないまま、組織として価値を目減りさせていた事例もありました。
結果的にマネジメント能力を低下させていたと内省しております。
実際、何事にも独自性は大切だと思います。
しかし、それぞれが、好き勝手なことをしていたら、それは組織としての意義を持たない、単なる烏合の衆となってしまいます。
そこで、2023年は、社内規程や規則に限らず、社内組織として、「やるべきこと」の基準を明文化することによって共有させます。
もちろん、社員の独自性を奪おうとは思っていません。
「やるべきこと」をやった上で、社員たちが独自性は尊重した取り組みが出来る経営を目指してまいります。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長