マネジメント「オリエンテーション」
- 2018.01.20
|マネジメント
人は一人で成せる目的には限界があります。
それ故に、より大きな目的を果たすために、同じ意志を持った人たちが集って組織を形成します。
よく組織と比較されるのが集団です。
その違いですが、共有の目的を持って集まった組織に対して、集団は目的を持たないか、目的が共有されない烏合の衆となります。
目的が存在する以上、組織にとって、その目的を果たすことが使命となります。
当然、構成する個々も、それに貢献するように取り組むはずです。
また、そのために、組織では、個々が互いに円滑なコミュニケーションを取り、協力し合おうとする意志が欠かせません。
そして、この組織が、目的を果たせるように機能させるのがマネジメントです。
|オリエンテーション
マネジメントの一環として重要視されるのがオリエンテーションです。
新入社員を受け入れたときに、企業理念や会社概要、会社規程、業務指示などの仕事内容についての説明が行われることをオリエンテーションと呼ばれることが多いかと思います。
オリエンテーション(Orientation)とは、方向づけという意味です。
故に、社業においては、様々な場面で実施すべきことです。
例えば、新しい戦略を推進しようととき、あるいは、戦略の進捗を確認したり調整するとき、その戦略の方向性を共有する必要があります。
目的が明確だからこそ、目標設定が可能となります。
目標を設定することで、課題が可視化されます。
可視化されることで、初めて組織で共有することが可能となります。
仮に共有されていないようだと、組織を構成する個々の統制が執れないまま勝手な解釈で行動することとなり、成果に結びつかなくなります。
最悪の場合は、互いの業務や権限のコンフリクト(軋轢、対立)を起こしたりしてしまい、戦略は崩壊してしまいかねません。
ベンカンとしても、様々な場面でオリエンテーションを実施しております。
最も大きなものが、年度初めである1月に開催される方針説明会です。
参加対象者は、経営者とマネジメント職者です。
その場で、その年の経営方針を共有した上で、各部の方針を共有します。
https://www.benkan.co.jp/column/12974.html
|ロジック構築
方針説明会で重要視されるのが、それぞれの方針のロジックが構築されていることです。
まず、経営方針です。
経営者とマネジメント職の中で、ギャップがあっては、各部の方針とのロジックが根底から成立しません。
その上で各部の方針は、経営方針からブレイクダウンされたものである必要があります。
ブレイクダウン(breakdown)とは、上位組織で決まったことを下部組織に指示すること、またはアイデアなどの概要を詳細化、細分化する(落とし込む)ことです。
ブレイクダウンされた各部の方針(主張)が、論拠として経営方針に合致したものであるかが確認されます。
翻せば、ブライクダウンされた各部の方針を統合した際には、経営方針以上のものになる必要があります。
ここで、確認するのが、ミッシー(MECE:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)です。
ミッシーとは、抜け漏れ、あるいは重複を意味します。
つまり、各部の方針において、経営方針から抜け漏れがないか、あるいは、各部で重複した方針を掲げてしまい無駄なことをしようとしていないかを確認します。
各部の方針の中には、トレードオフの関係にあるものも多数あります。
トレードオフ(trede off)とは、一方で益を得ると、一方で損が生じることです。
例えば、製造部門が、売上に対する変動費率(原価率)を抑えようととしても、営業部門が安売すると変動費率は高くなってしまいます。
同様に営業部門が売上総利益(粗利)を確保しようとしても、製造部門が変動費(原価)を上げてしまえは売上総利益は減ってしまいます。
このトレードオフになる関係の案件を各部で擦り合わせすることも重要となります。
ベンカンでは、この方針説明会から決起大会に移り、この一年の方針をスタートさせております。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長