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コラム

社会貢献「柔道の授業」

  • 2012.12.24

|社会貢献

 

企業に対して、その社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)あるいは、社会における企業の存在意義(パーパス:Purpose)が問われています。

さらには、2015年の国連サミットでは、地球規模の持続可能な開発目標を掲げたSDGsが採択されました。

 

ベンカンにおいては、これらを推進させる上で、このSDGsに沿った取り組みを、まず、事業活動を通して努めることを徹底しております。

その上で、出来る限り、事業活動以外でも貢献することに努めます。

 

私は、10年以上に渡り、小学生の柔道指導に携わった経験があります。

その経験を知った地域自治体のコーディネーターの方から、近隣の小学校で柔道の授業を行って欲しいとのご依頼を受けました。

正直、平日であることからも、仕事の関係からお断りしようと考えました。

しかし、これも地域貢献あるいは社会貢献の一環ではないかと考え引き受けることとなりました。

 

コロナ禍でもありましたので、緊急事態宣言やまん延防止措置などの発令が出ていない新規感染者の少ない2022年の1月が実施日となりました。

私自身も子供たちに感染リスクを与える訳には行きませんので、事前にPCR検査を受けて陰性であることを確認しました。

授業の対象は、小学6年生の3クラスを2回に分けて、1回を50人弱として、90分で実施しました。

 

経営「CSR(企業の社会的責任)」

 

|柔道の授業

 

確認すると、子供たち全員が柔道を1度もやったことがない初心者とのことでした。

柔道の醍醐味である投技も教えてあげたかったのですが、さすがに初心者には無理です。

そこで、今回は、柔道について簡単にお話し、柔道衣の着かた、礼法、受け身までとしました。

 

柔道は、戦国時代の戦いの中から派生した武術である様々な流派の柔術が原型とされています。

それを、明治時代に嘉納治五郎(かのう・じごろう)師範が、研究を重ね文武の道として体系化させたものです。

その後、スポーツとしても発展し、特に1964年の東京オリンピックで正式種目として採用されて以降、完全に日本の柔道から世界の柔道への発展を遂げました。

 

人は、決して一人では生きて行けません。

決して、自分のことだけではなく、家族や地域の皆さん、学校の先生や友人などと互いに助け合うことで、共に栄えることができます。(自他共栄)

その意味でも、カタチである礼法の前に、礼儀の大切さを伝えてから、礼法を教えました。

 

また、意外と手こずったのが柔道衣の着方です。

特に帯の締め方では、多くの子供たちが苦戦しました。

帯の締め方ですが、決して難しいことではなく、一つ一つ、手順を追って行くことが大切です。

実は、何事も近道がある訳ではなく、誰もが手順を踏むことこそが、柔道の技にも通じる理論でもあります。(つくり→掛け)

 

受け身は、今回は、最も私生活でも必要になるだろうと思われる後受け身だけを教えてあげました。

身の回りには、様々な危険が潜んでいます。

仮に転倒などの、何らかの危険に遭遇した際でも、後頭部を守ることが出来る後受身は、知っていて損はない技術です。

しかし、簡単だと油断すると、受け身でありながら、後頭部を畳に打ってしまう可能性もあります。

ここは、多少大袈裟に危険性を伝え、子供たちの緊張感を高め精神を集中させて実施してもらいました。(精力善用)

 

決して競技者を育てるための指導ではありません。

正直、この先、柔道に取り組んでくれる子も稀かと思います。

しかし、将来、小学校の時に柔道を学んだ、あるいは、面白い先生が来て教えてくれたと思い出してくれたら幸せです。

 

【移設】組織「自他共栄」

 

 

|教育への貢献

 

SDGsには、17の目標があります。

その中の4つ目の目標は、「質の高い教育をみんなに」となっています。

すべての人が公平に質の高い教育が受けられる世の中を目指す内容で、世界中の人々が生涯学習を受けられる機会を促進させます。

具体的には「2030年までにすべての男女が無償で初等・中等教育を修了すること」が第一目標で、経済的な理由で教育を受けられない人々を救う内容となっています。

 

これを実現するためには、世界各国、世界の人たちが協力して取り組みを行わなければなりません。
誰しもが平等に教育を受けられる場を提供するのも方法の一つです。
また、ジェンダー、障害者、貧富などの格差に苦しむ人々をなくすのも、教育の推進につながります。

 

今回、私が行った小学校の柔道の授業は、これらの内容に比べると些細なことです。

私自身、これが社会貢献とか、地域貢献というのも気が引けます。

翻せば、当たり前のことでもあるのかと思います。

しかし、そんな当たり前のことでも、なかなか出来ないのも現実です。

だからこそ、地球に住む全ての人が当事者として共有し、それぞれの立場で、それぞれのやれることを、それぞれがやれる限り、頑張ることが大切なのだと教えられております。

 

柔道の授業のあと、子供たちからの感想を寄せた模造紙数枚が届きました。

一人一人のメッセージに目を通して、引き受けて良かったと心から思いました。

現在は、社員にも読んで欲しくて、本社内に掲示しております。

お声掛けいただいたコーティネーター様、サポートいただいた先生方、そして、何よりも未来ある子供たち、本当に、ありがとうございました。

 

私自身、柔道を通して、様々な方々から、様々なことを学ばせていただきました。

今度は、この柔道を通して、未来を担う子供たちに、僅かでも良いので、良い影響を与えて上げられたらと思っています。

また、今回を機会に会社としては当然ですが、社員一人一人が、社会貢献、地域貢献に意識と行動を向けてもらえたらと思っています。

 

【移設】社会貢献「たからもの・柔道」

 

 

  我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma)   代表取締役社長

 

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