発売から15年超「EGジョイントの歴史」
- 2021.12.08
|EGジョイントの歴史
「接続2秒。」のキャッチコピーでおなじみの「EGジョイント」は2005年の発売以来、数多くの建物に採用していただいております。
一般配管用ステンレス鋼鋼管対応のメカニカル継手といえば、接合時に専用工具を用いて接合するというのが通例であった為、パイプをそのまま継手本体に差し込むだけのワンタッチ式継手は、施工が容易であることにより大いに注目をされましたが、一部では受け入れ難いという声があったのも事実です。
しかしながら一部の改良を挟み、発売から15年以上が経過した「EGジョイント」は安定した出荷量を見込める製品に成長しました。
年々使用実績が増えることでお客様の安心感にも繋がっていると感じます。
「機会があれば・・・」と興味を持っていただいた方が、実際に使用してくれるということも増えているのではないでしょうか。
実際に採用いただくと「EGジョイント」最大の特長であるスピード施工を体感いただける。
その結果、リピーターとして継続的に使用いただけるという良い流れも生まれています。
もちろん突貫工事が要求される工事に使用いただくケースが多いのですが、最近では大型案件での使用実績も増えました。
「労務費を減らすことができた」と言っていただけると嬉しい限りです。
今後、発売20年、30年を迎える際には、ベンカンの主要製品になっているはずですが、さらに新アイテムの開発やサービスにも注力していきたいと思います。
|EGジョイントの引抜阻止力
メカニカルジョイントにはあらゆる接合方式があり、その多くは専用工具を使用して接合を行います。
拡管式工法はパイプを拡管して袋ナットを掛ける膨らみをつくり、プレス式工法は継手と共にパイプをプレスし凹ませます。
これに対し、ワンタッチ式継手の「EGジョイント」はパイプを変形させずに接合を完了させます。
専用工具を必要としないことは容易な施工を可能にしますが、「EGジョイント」の使用に二の足を踏まれる方の多くは、パイプをそのまま差し込むだけで「抜けないのか?」とお考えになるのだと思います。
「EGジョイント」は継手内部に組み付けされているホルダーやエッジといった部品によって、抜けに対する阻止力を生み出しています。
特にエッジはその名の通り、刃のごとくパイプに食い込み大きな引抜阻止力を引き出します。
その値は下の表に示すように、ステンレス協会がSAS322の認定品に課す値を大きく上回っていますので安心してご使用いただけるはずです。(EGジョイントはSAS322認定品です)
【SAS322引抜試験】
長さ250mm以上の管を管継手に接合し、空気圧0.2MPa{ 2.0kgf/cm² }を封入した状態で、2mm/minの引張速度で管を引き抜き、空気が漏れるまでの最大荷重(引抜阻止力)を測定する。
呼び径
(Su) |
SAS322引抜阻止力
規定値(kN) |
EGジョイント
引抜阻止力(kN) |
13 | 2.2 | 6.61 |
20 | 3.8 | 11.38 |
25 | 4.9 | 11.86 |
30 | 7.0 | 12.37 |
40 | 8.8 | 18.41 |
50 | 10.1 | 15.08 |
写真は引抜試験後に「EGジョイント」から取り外したパイプです。
深く食い込んだ跡を見れば、エッジ(刃)の性能の高さをお分かりいただけると思います。
もちろん凍結等、EGジョイントの引抜阻止力を超える力が働くケースを除き、発売から16年「EGジョイント」が脱管したという事例はございません。
*水中に没する配管、雨ざらし箇所、継手が水で濡れる可能性がある配管は、水で濡れたエッジ部が腐食する可能性があるため使用できません。
|施工講習会でのコミュニケーション
ベンカンでは各製品をお使いいただく際に、現場毎に施工講習会を開催させていただいております。
「EGジョイント」は専用工具が存在しないため、施工講習は必要ないと思われるお客様もおられると思いますが、簡単な工法ほど注意いただく大事なポイントがあります。
また製品自体の性能でお客様の信頼を得ることは大事ですが、ベンカンではお客様とのコミュニケーションにより、施工時に製品の強みを最大限発揮させることが必要だと思っています。
「EGジョイント」をお使いいただけるお客様の多くは、「接続2秒。」と言われるスピード施工に魅力を感じてのことだと思いますので、配管のやり直し等で逆に時間が掛かってしまうことがあっては意味がありません。
責任持って大事なポイントをお伝えし、スムーズな工事となるよう心掛けています。
尚、一度講習会を受講いただいたとしても年月が経過していると注意点をお忘れになることがあると思います。
特に「EGジョイント」は他の接合方式と異なる部分が多いので施工講習会は現場毎に実施しています。
ご面倒でも必ず施工講習会をお申し込みください。
受講いただいたお客さまには受講証明書を発行いたします。
鈴木 隆弘(Takahiro Suzuki) 営業部 開発営業課 マーケティンググループ