マネジメント「生産管理」
- 2021.12.19
|マネジメント
企業とは、組織であり、それぞれ特有の目的を有しています。
しかし、組織を構成する一人一人が、同じ目的を共有していても、それを実現させるための方法論は、個人それぞれです。
また、それぞれの能力も均一ではありませんし、それぞれに、長所もあれば、欠点もあります。
その様な状況下にあって、組織をして成果をあげさせるための取り組みがマネジメントです。
マネジメントとは、企業が、その目標を達成するために必要不可欠なものであり、経営資源などの異なる形のたくさんのピース(要素)をハメ合わせて、大きなパズルを完成させるようなものなのかと考えます。
例えば、製造業においても、よく混同されるのが「生産」と「製造」です。
しかし、厳密にいえば、異なる意味合いを持っています。
そもそも「製造」とは、原材料を加工して、製品を造る行為そのものです。
それを考えたら、ベンカンのビジネスモデルは紛れもなく、製造であり、製造業と称して問題ないかと思います。
対して「生産」とは、人間の経済活動の主要な活動であり、土地や原材料などから人間の何らかのニーズを満たす製品を作る行為、またはそのプロセスを指すとされ、その対義語が「消費」とされています。
既にご理解いただけたかと思いますが、「製造」とは「生産」の一部であり、「生産」とは「生産管理」とも称され、マネジメントにあたるものということになります。
|生産管理
製造業において、「生産管理」は、販売計画に基づいて、製品の生産から出荷にいたるまでの体制を整えるものです。
具体的な業務内容は、生産計画の立案、原材料の発注先決定、価格交渉、納期・在庫管理、生産工程管理など多岐に渡ります。
現代は、先行きの読まないVUCA時代とも呼ばれています。
その様な環境にあって、市場における製品の売れ行きを見ながら生産数を決定しなくてはなりません。
また、現状だけではなく先々の売れ行きを予測して、必要と考えられる製品数の生産体制を整えることも重要です。
如何に早く正確な情報を「営業」から入手し、臨機応変に適切な判断を下し、計画通りに工程が進むように、「製造」の現場動かして行くかが重要となります。
さらに、財務面からみたら、欠品を恐れるあまりに、在庫を抱え過ぎることも問題です。
如何にして適正な在庫を保つかも重要な課題となります。
その意味でも、「生産管理」では、全体を俯瞰的に見る「鳥の目」、製造の現場の状況を見る「虫の目」、そして、その先を読む「魚の目」が必要となってきます。
|仕組みづくり
管理範疇が多岐に渡る「生産管理」を機能させるために、様々な仕組みの構築に取り組んでおります。
まず、基本になるのが、マネジメントサイクルとも称されるPDCAサイクルの定着化です。
また、製造の現場では、このPDCAサイクルに乗せるカタチで、これも製造業では定番でもあるカイゼン活動を実施しています。
また、最近では、業務効率化、生産性向上、働き方改革の観点からも注目されているデジタル面の仕組みづくりにも力を入れています。
例えば、製造工程で部品点数が多い製造業の多くが導入している「MRPシステム」を導入しました。
MRPとは、Material Requirement Planningの略で、日本語では「資材所要量計画」と呼ばれています。
生産計画に合わせて、必要な部品や原材料の所要量を計算し、生産日程に間に合うように、部品や原材料の生産日程(生産計画)や調達日程(調達計画/材料計画)を作成するシステムです。
MRPは、1960年代から1970年代に、アメリカで生まれたもので、部品の「材料計画」と「発注方式」が連結されていました。
その後、適用範囲が広がり、「資材の部品調達」から「製造」、「出荷」までを管理するシステムになっています。
また、従来から活用しているMicrosoft Accessも運用を継続しています。
「MRPシステム」で保持している情報は、そのまま営業部などで活用し難いケースがあります。
かといって、Excelでは、大量のデータ管理には対応し切れません。
そこで、大量のデータに特化しているMicrosoft Accessは欠かせないものになります。
現在は、顧客のニーズに応えるべく、短納期体制を確立させるために自動化率を高めるなどして、生産性の向上に努めております。
また、その使命は、モノづくりであることは間違いありませんが、決して、製造するだけの受け身の工場ではなく、ベンカンがご提供可能な価値をご提案させていただき、お客様方のお声に積極的に耳を傾け、改善や生産に活かさせていただきます。
保坂 文彦(Fumihiko Hosaka) 製造部 製造課 課長代理