社会貢献「タンザニア製造業支援研修」
- 2020.12.25
|社会貢献
社会という組織を構成する上で大きな存在が企業です。
故に企業における、社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)あるいは、社会における企業の存在意義(パーパス:Purpose)が問われています。
さらには、2015年の国連サミットでは、地球規模の持続可能な開発目標を掲げたSDGsが採択されました。
SDGsは、先進国も発展途上国も関係なく、地球ぐるみで環境破壊や貧困などに終止符を打ち、すべての人が平和と豊かさを享受することを可能にし持続できる社会の実現が目的となります。
そのため、概ね環境、経済、社会のカテゴリーに分けられる17の目標から構成され、どの国や地域にとっても取り組みやすいような包括的かつ具体的な内容となっており、「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことが宣言されています。日本の取り組み(PDF)
ベンカンでは、共感するカタチで、2016年にSDGsの考え方を企業理念のミッションに取り入れました。
このミッションを通して社会貢献することで、その存在意義が高まり結果的に、私たちが目指すべきところのサステナブル企業になれるのかと考えております。
まだまだではありますが、まずは、事業活動を通して努めることを徹底しております。
その上で、出来る限り、事業以外の活動でも貢献できるように努めてまいります。
|タンザニア企業の支援
海外諸国との取り組みは、販売や自社の製造拠点を海外に進出させて現地の発展に貢献するだけではなく、発展途上国の製造業支援にも取り組んでおります。
また、それらの諸国から一定数の実習員を招き入れる取り組みもしております。
国内では、本社、MJ工場が所在する群馬県は、全国的にみても外国人住民が多い地域ですが、コロナ禍も相まって、職に就けていない方々も多く社会問題にもなっています。
幸い長年、外国人の方々を雇用してきた経験があるため、積極的に外国人の雇用に努めています。
この度は、「ユニコインターナショナル株式会社」様からのご依頼で、タンザニア国に向けた「カイゼン運動の発展による、現地企業の品質・生産性等の改善」を目標とした研修にご協力しました。
「ユニコインターナショナル」様は、ODA(政府開発援助)を活用して、アジア、CIS、中東、欧州、アフリカ、中南米など世界各地で開発援助分野におけるコンサルティングサービスを展開されています。
具体的には、日本の製造業にとっては、定番との言えるカイゼン活動とそれを支える5S活動に関してです。
通常であれば、現地の方々が来日して研修するらしいのですが、今回はコロナ禍であることからオンラインで11,616km離れたタンザニア現地と繋げる事となりました。
そのため研修に必要な教材として、事前にMJ工場のカイゼン活動や、5S活動の状況の動画撮影が行われました。
ご担当者であるコンサルティング第一本部 桑名主査様と野口主査様からの取材を受けながらの動画撮影となり、材料搬入口から製品の出荷まで、各エリアの責任者から説明させていただきました。
また、活動を推進する上でのノウハウ、特に5S活動の意義や表彰制度、各パトロール活動などについてのインタビューを受けました。
|オンライン研修
当日は、タンザニアとユニコインターナショナル様(東京)、そして、ベンカン(群馬)の3拠点をつないでのオンライン研修となりました。
タンザニア側からは、政府関係者、カイゼン指導者の方々が約15人ご参加いただきました。
皆さまには、事前に収録した動画を視聴いただきながら、現在の状況と比較いただきいました。
そもそも、5S活動とは、整理、整頓、清掃清潔、躾(しつけ)の頭文字を取ったものです。
そして、その活動によって習慣化された意識をカイゼン活動に向けて取り組みます。
どうやら、お国柄などの習慣の違いもあってか、私たちが考える以上のギャップを感じられているように伺えました。
それでも、視聴後は、ご質問をいただきました。
最初は懐疑的であった皆様も、次第に打ち解けて、笑顔も見られました。
更には、意見交換するうちに取り組み意欲が湧いてきたのだと思いますが、質問が止まらず、予定時間をオーバーしそうになりました。
結果的に約90分間の研修は無事に終了致しました。
今後、この研修が少しでもタンザニアに皆様のお役に立つことができたら幸いです。
ベンカンも、今回の研修を機に終わる事のないカイゼン活動、すべてのベースとなる5S活動について、これまで以上に推進していきたいと思います。
石崎 豊(Yutaka Ishizaki) 製造部 部長代理 兼 MJ工場 工場長