ワーク・ライフ・バランス「アンチエイジング」
- 2012.12.27
|高齢化社会
高齢化社会となり、良く耳にする言葉の一つにエイジングがあります。
エイジング(Aging)とは、「老化」や「加齢」のことです。
厚生労働省が公表している平成28年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳に達しています。
つまり、現在の日本における一般的な就業定年の60歳以降も、男性では20年以上、女性では25年以上の人生が残っていることになります。
エイジングに対する精神面の考え方にサクセスフル・エイジングがあります。
これを日本語で解釈するのは難しいところですが、「老後の生きがい」であったり、「幸福な老い」と捉えて良いのかと考えます。
また、身体面であれば、アンチ・エイジングとなろうかと思います。
今後、高齢化社会が進むうえでは、このサクセスフル・エイジングとアンチ・エイジングによる、より良いエイジングが人々に求められてくるのかと思います。
|アンチ・エイジング
アンチ・エイジング(Anti-Aging)とは「老化や加齢に対抗する=抗加齢」という意味になります。
実際の年齢に逆らうことは出来ませんので、その意味としては「抗老化」となります。
医療においては、抗加齢医学と位置づけられるようで、「生理的な加齢を遅らせる医学」などともいわれています。
疾病の医学が対象としている「病気の治療」から、「健康な人のさらなる健康」を指導するという予防医学ともいえます。
具体的には生活習慣を改善して健康長寿を享受することを目指すものであり、理論的・実践的研究によって、アンバランスな病的老化の予防、治療を基本としています。
そもそも抗加齢医学が日本や世界で注目された背景には、エイジングの研究が進んだことがあります。
加齢は避けられないものではなく、細胞生物学的なプロセスのひとつとして、医学的な介入による影響を受けることが分かってきたのです。
また、これまでの医療では活用されることが無かったサプリメントの使用や、ストレスケアの対処も含まれています。
疾患予防というレベルを超えたアプローチによって、健康レベルをさらに上げていくことが、アンチエイジング医学のアプローチ方法です。
また、「加齢による変化」を対象としていることから、今後、ますます重要視されていくことが予測されます。
|アンチエイジング対策
アンチエイジングの基本的な対策が、食事面、運動面、精神面です。
まず、食事については、抗酸化作用がある栄養素を意識してバランスよく食べることが重要です。
具体的には、ビタミンC(緑黄色野菜・フルーツ)、ビタミンE(植物油・ナッツ)、ポリフェノール(プルーン、あずき、カカオ、赤ワイン、お茶など) 、ミネラル類(海藻)、カロテノイド(濃い色の野菜・黄色、オレンジ、赤のフルーツなど)などが含まれたものが推奨されています。
運動については、筋トレ、有酸素運動、ストレッチなどが効果的と言われております。
筋トレは、成長ホルモンの分泌や基礎代謝のアップに効果があります。
ジョギングやウォークングなどの有酸素運動も、脂肪燃焼や脳の働きを活発にすることで、ダイエットにも効果が期待できます。
ストレッチは、肩こりなどの緩和や姿勢の改善に効果があります。
但し、若いころの感覚で絶対に無理をせずに取り組むことが大切です。
また、行動によって精神がコントロールされるエンボディメントの効果もあるようです。
精神については、正にサクセスフル・エイジングであって、好奇心を持って前向きに生きる姿勢がストレスをコントロールし、痴呆症の防止にもつながるので、仕事や趣味などの楽しみを見つけて、それを続けることが大切となります。
抗加齢医学への関心と期待は、今後ますます高まっていくものと思われます。
実際、医学界だけではなく、民間で取り組むような団体も出来てきました。
ある団体では、「いいとし」の語呂合わせから11月14日を「アンチエイジングの日」に制定されています。
その他、民間ならではの様々なイベントを通して、いいとし(良い歳)をとるために、心とからだの状態をチェックすることを呼びかけられています。
参考文献:NPO法人アンチエイジングネットワーク
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長