マネジメント「経営企画」
- 2012.12.27
|経営とは
あらゆる組織が社会の機関であるといわれます。
企業も当然、組織ですので、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)が重要視されています。
社会的責任とは、企業が社会の機関として果たすべき絶対的な責任であると捉えています。
ベンカンでは、企業理念におけるビジョンを「サステナブル企業になる」こととしています。
つまり社会におかる存在意義(パーパス)を持ち続けられる企業です。
そのためには、社会的責任を果たすのは当然ながら、社会やコミュニティ、個人のニーズを満足させる社会的な価値を高めることが必要となります。
その意味でもまずは、事業を通しての顧客の創造に取り組みます。
加えて、事業以外での社会における存在意義を高める取り組みも行って行きます。
例えば、2015年の国連サミットで採択されたSDGs(継続可能な開発目標)に対しても積極的に取り組みます。
つまり、ベンカンにおける経営とは、企業理念に示す通り、ビジョンを実現させるためにミッションを遂行させることとなります。
|経営企画
企業が社会的責任を果たし、社会的価値を向上するためには、様々な取り組みが必要となります。
また、企業をとりまく環境は、VUCAと呼ばれるように変動的(Volatility)で不確実(Uncertainty)、複雑(Complexity)で曖昧(Ambiguity)です。
その様な如何なる環境下にあっても、経営者が、企業の社会的価値を高めるために、より正しい経営判断をするため、参謀的な役割を果たすのが経営企画の目的であると一般的にはいわれています。
具体的には、企業の経営戦略に基づく計画の立案と、その計画の実現に必要な経営資源(人・物・金・情報)を適正に配分することとなります。
その主管業務は、①中期経営計画・ビジョンの策定・管理、②単年度予算の編成・管理、③特命プロジェクトの推進などです。
①中期経営計画・ビジョンの策定・管理
中期経営計画とは、企業が中期的に目指す、あるべき姿と現状とのギャップを埋めるための計画です。
明確な定義はありませんが、日本の場合、3年で設定する企業が多い傾向にあります。
②単年度予算の編成・管理
中期計画から初年度をブレイクダウンさせて、予算の編成や管理は、より具体的に推進することになります。
③特命案件の推進
企業や規模にもよりますが、事業別であったり、役割別に部門が分けられます。
その様な中で、どの武門にも属しなかったり、複数の部門を横断するような特命案件が発生する場合があります。
その場合、経営企画の主導あるいは事務局になって推進する役割を担う場合があります。
その他、財務、人事、取締役会等の会議体事務局、新規事業推進、組織風土改革、CSR推進 等にも何らかの形で関与するなど、広範かつ多様な職務を担います。
|経営企画に求められるスキル
経営企画には、その業務内容からも経営・経理・財務は当然ながら、企画、マーケティング、プレゼンテーション、コミュニケーションなどの多岐に渡るスキルが必要となります。
また、コンセプチュアルスキルが重要とも言われています。
コンセプチュアルスキルとは、より上位のマネジャーになるほど求められる能力として、アメリカ・ハーバード大学の経営学者、ロバート・カッツ氏が提唱したもので、知識や情報を体系的に組み合わせ、物事の本質を捉えて概念化することができるスキルのことです。
日本の企業における中期経営計画は、3年計画である場合が一般的であると前述しました。
しかし、忘れてならないのが、中期がある以上、その先の長期経営計画の存在です。
この長期視点を見失い既存の価値を高めるばかりの「知の深化」ばかりに偏るとコンピテンシー・トラップに陥るといわれます。
コンピテンシー(competency)とは、「優れた業績・成果につながる行動特性」のことです。
つまり、3年という目先の優れた業績・成果ばかりに経営が偏ることで、長期的な成長の可能性を摘んでしまうことです。
中期計画を策定する際には、既存価値でビジネスの可能性を狭めず、多様な可能性を探求する「知の探索」も必要です。
この「知の探索」と「知の深化」ですが、「虫の目」、「鳥の目」、「魚の目」と称されたりもしますが、とにかく経営企画には、思考を偏ることなく、バランスよく、ロジカルに思考するコンセプチュアルスキルが必要となります。
企業によって経営企画に対する考え方は様々です。
しかし、企業の価値にも大きく影響を与えるところと捉え、有効に機能させて行きたいと考えております。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長