マネジメント「パンデミック対策」
- 2020.02.03
|企業における事業継続とリスクヘッジの重要性
企業において、事業の継続は顧客との大切な約束となります。
翻せば、事業を継続できなくなる要因を如何にして「リスクヘッジ」するかが重要となります。
「ヘッジ(hedge)」とは回避を意味する言葉ですが、ここでは回避に留まらず、予防や転嫁することにも適用されます。
更には、一時的な、「リスクヘッジ」に止まらず、経営戦略の一環として「危機管理(Risk Management)」の重要性が問われるようになっております。
「リスクヘッジ」が局面に対しての回避策であるのに対して、「危機管理」は事業全体を把握して、その継続を阻害する緊急事態が起こらないように、その原因となる事象の全てを予測して防止策を検討するものです。
「リスクヘッジ」は「危機管理」の一部と捉えて良いと考えます。
また、緊急事態の発生を想定して、その影響を最小限に抑制すると共に、早期復旧策を検討する「危機管理(Crisis Management)」が重要となります。
そして、それらを具体的にまとめた「BCP」がイギリスやアメリカを中心に世界標準化させる動きが始まっています。
日本においても、その重要性が再認識され政府機関、各企業や団体においても「BCP」の策定と「BCM」の運用が進んでいます。
|パンデミック
「BCP」とは、企業が緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。(中小企業庁ホームページより抜粋)
事業継続を阻害する緊急事態で代表的なものが災害や事故、パンデミック、情報漏えい、データ改ざん、コンピューターウィルスなどです。
人類は、古くは、14世紀のヨーロッパにおけるペスト(黒死病)、19世紀以降7回にわたって発生したコレラの大流行など、様々な感染症と戦ってきました。
感染症をもたらす病原体や対処方法がわかってきたのは、19世紀後半になってからで、その後、感染症による死亡者は激減しています。
しかし、1970年頃より、以前には知られてなかった新たな感染症である「新興感染症」や、過去に流行した感染症で一時は発生数が減少したものの再び出現した感染症「再興感染症」が問題となっています。
その様な、感染症の全国的、世界的な大流行のことをパンデミックといいます。
毎年、流行する一般的なインフルエンザA型は、季節性で、抗原性が小さく変化しながら毎年世界中のヒトの間で流行するものです。
対して、パンデミック性が高い新型インフルエンザは、時として現れる大きく異なる抗原性ウイルスによって感染するものです。
勿論、インフルエンザA型だからといって油断して良いものではなく、感染により一定期間の隔離の必要となります。
感染者が多くなれば、事業継続に支障を来すことは間違いありません。
|パンデミック対策
インフルエンザA型やノロウィルスなどの感性症胃腸炎などの季節性の感染症は、予防注射を打つなど事前に考えられる対策を徹底すべきです。
それぞれの感性症によって、適正な予防対策が必要ですが、一般的にあげられる事例は次の様なものです。
①マスクの着用
咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込む「飛沫感染」のリスクを抑えられます。
鼻からあごまで覆って隙間がないように着用します。
隙間が空いていると、そこからウィルスが混入してしまうので注意が必要です。
②手洗いの徹底
ウイルスが付着した手で口や鼻に触れて起こる「接触感染」の予防につながります。
食事の前、外出した後、咳をした後、口・鼻・目などに触る前には手洗いを心がける必要があります。
更なる対策として、手洗い後に手指消毒用のアルコールを使うとより効果的です。
③消毒用アルコールを使った身の回りの除菌・消毒
多くのウイルスは、濃度の高いアルコールによる消毒が有効であると考えられていますので、会社・自宅問わず、ドアノブやテーブル、リモコン、電気のスイッチなどは、こまめに除菌・消毒を行うと効果的です。
どちらにしても、咳や熱などの症状があれば、決して油断せずに医師の診断を受けることが、感染拡大を予防することが出来ます。
また、新型の感染症が流行してから慌てるのではなく、常日頃から季節性の感染症の予防を意識していただきたいと思います。
アフターコロナにおいても、このような基本的な感染症対策は、企業の事業継続において非常に重要です。
社員の安全と健康を守るための予防措置を徹底することが、企業の信頼と持続可能な発展に繋がります。
ベンカンといたしましても、管理部と衛生委員会が中心となって社員に予防対策や感染した際の適正対処を徹底指導するようにしております。