マーケティング「市場の耕起」
- 2012.12.20
|土壌を耕起する
耕起(こうき)とは、農業において、そのままでは作物の栽培に適さない土壌に対して、掘り起こしたり、反転させることです。
それによって、表土を破砕して土壌を柔らかくし、乾土効果をもたらすことを目的としています。
また雑草の除去や、有機物の分解促進、土壌の団粒化の促進、土壌性の病害の抑制なども効果として期待されています。
荒れ果てて、農作物なんて収穫できる訳がない土地であっても、耕起することで農地として活用できる可能性があります。
翻して、耕起などで土壌を手入れしなけらば、いずれ荒れ果ててしまい、作物の種を植えても、育たなく、勿論、収穫もできない土地となってしまいます。
|エナジードリンク
比較的新しいカテゴリーではあいかと思われる飲み物にエナジードリンクがあります。
類似のカテゴリーとして医薬部外品として栄養ドリンク剤がありますが、これとは異なり、分類は「炭酸飲料(清涼飲料水)」となっています。
しかし、それであれば、決して目新しいものではなく、日本では、1965年発売の「元気ハツラツ!」でお馴染みの商品があります。
それが一躍、「エナジードリンク」としてクローズアップされ出したのは、「翼を授ける。(Gives You Wings)」がキャッチコピーの商品が登場してからかと思います。
そのエナジードリンクですが発祥はタイだったといいます。
タイでは、日本の「ファイトイッパツ!」でお馴染みの栄養ドリンク剤が普及しており、あまり売れなかったのだそうです。
それがオーストリアに渡って、日本の栄養ドリンク剤を参考に改良され、現在に至ったとされています。
そもそも医薬部外品とは、薬事法により、体に対する作用がおだやかで、機械器具等でないものが指定されています。
つまり、医療部外品である栄養ドリンク剤は、特定保健用食品などと同様に国が認めた商品としての安心感のようなものが購買を左右しているのかと思われます。
対して、エナジードリンクは、あくまでも清涼飲料水として販売されている関係上、栄養補給というよりは、一時的な興奮剤的な目的になるのかもしれません。
この海外からのエナジードリンク、日本国内の既存土壌を耕起してくれたように思います。
既存の商品も巻き返しのために様々な手を打ち始めているようですし、これに乗じるかの様に、栄養ドリンク剤をエナジードリンクにアレンジした商品も続々、登場しています。
|エナジードリンクの起源
清涼飲料水の代表といえば、コーラです。
そんなコーラの最大手メーカーもエナジードリンクを発売しました。
コーラメーカーがエナジードリンクを出したというより、コーラのエナジードリンクです。
飲んでみると明らかにコーラでした。
しかし、通常のコーラよりもカフェインが強く薬に近いキツイ味になっています。
19世紀末期のアメリカでは、医者不足から自然療法や万能薬が求められたと言います。
そんな中、自然療法家の一人がワインをベースにコカインなどを調合させて、精力増強や頭痛の緩和に効果のある薬用酒として売り出しました。
その後、禁酒運動が起こったことなどからワインベースやコカインの調合を見なおして、炭酸水とシロップをベースにカフェインなどを調合した飲み物に改良しました。
1886年に発売された、この飲み物は、当初、薬っぽい味で、見た目も黒いことから、何やら胡散臭い存在だったようです。
そして、それが、コーラの起源なのだそうです。
それを考えたら、エナジードリンクの元祖はコーラなのかもしれません。
既存市場に対して新規市場とあります。
しかし、完全なる新規市場というよりは、既存市場の耕起の繰り返しで新規市場は生まれているのではないのかと思います。
田中 利憲(Toshinori Tanaka) 営業部 部長