HRM「オープン研修」
- 2023.08.01
|HRM
企業は、その目的を果たすために、経営理念に基づいた戦略を立案し、それに沿って事業活動をマネジメントします。
そして、それらの活動には、資金調達、販売、人材管理、経営管理などの諸々の力の集合体である経営資源が不可欠となります。
経営資源とは、一般的にヒト、モノ、カネ、知識、情報などといわれています。
この経営資源を必要な部署や取り組みに供給するのも、インフラストラクチュアの取り組みとなります。
なかでも、筆頭の「ヒト」、つまり人事の重要性が高まっています。
従来型の人事とは、労務・法務などの制度やマニュアルなどのオペレーション業務ばかりに固執した保守的、定型的な前例主義がほとんどでした。
対して、現代では、労働力不足が深刻化していることや、それを補う意味での機械化の技術革新によって、個々の人材には、よりクリエイティブ性のある能力と発揮が求められるようになっています。
反面、従来の経営戦略では、戦略的に人事を捉える意識が低かったといえます。
故に、今後は、人材と組織の側面から変革をリードしていく戦略的人的資源管理(以下、HRM:Human Resource Management)が重要視されています。
HRMにおいて、人材価値の育成策として、研修会、勉強会などの教育機会は非常に重要なものとなります。
|ベンチマーキング
社内には、社員たちが自身の職務に対して適正な能力を発揮するために必要な研修や学習機会を提供する教育制度があります。
多くは社内で社員同士または個人で実施するものとなります。
結果的に、能力や習得することに関しては、社内基準となってしまいます。
しかし、戦略人事を推進する上で、社内基準だけで判断することは、良くも悪くも「井の中の蛙大海を知らず」となりかねません。
その意味でも「ベンチマーキング(benchmarking)」あるいは、「モデリング」とも呼ばれるマネジメント手法が有効と考えています。
その語源は、土地測量に使われる土地の高低などの基準を意味するものです。
自社や自身にとって規範となる企業や特定組織、人物などベンチマーク(基準)として、その優れた技法、手法、過程などをロールモデル(手本)として捉え、同じように考え、行動することで、自社や自分に、そのパターンを定着させる取り組みです。
そもそも人には、現状を現状のまま維持したいと思う無意識の欲求である現状維持バイアスがあるのだそうです。
その様な状態で、現実的ではない目標を掲げて取り組むことを促しても、なかなか行動に移さない人も少なくないと思います。
ところが、現実として存在するベンチマーク(基準)と比較した場合はどうかです。
これにも抵抗する存在はあろうかと思いますが、余計なことを考え過ぎて行動しないのではなく、とにかく真似てみることが大切だと考えます。
|オープン研修
2000年代の始め頃にアメリカで提唱され始めたのが「オープン・イノベーション」です。
「オープンイノベーション」とは、組織内部のイノベーションを促進するために、意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである。
(Henry W. Chesbrough, 著書『Open Innovation』(2003年)
一般的には、自社以外の外部機関と共同で取り組むことで新しい価値を創り出すことだと捉えて良いかと思います。
このオープンイノベーションですが、人材価値の育成も含まれると解釈します。
ベンカンでは、オープンイノベーションとベンチマーキングの考え方を取り入れ、主に製造業の他社様とのオープン研修を実施しております。
オープン研修は、選抜社員同士で、互いの工場を見学し合ったり、一堂に会して合同セミナーを開催したりしております。
他社の工場を見学することで、互いに良い点、悪い点などを指摘し合います。
また、合同セミナーでは、共通の課題を通して、社外の方々と、深く意見交換します。
全てに優れた企業が存在するとは考えにくいかと思います。
他社に自社よりも優れた部分を見出だすことで、自分たちの現状維持バイアスを壊すキッカケになるはずです。
そして、このオープン研修で大切なのは、この後に、何をするかです。
壊されたものを、より優れたベンチマーク(基準)に標準を合わせて、再構築することが非常に重要になります。
今後も継続的に、オープン研修を開催して行きたいと考えます。
ご興味のある製造業の皆さまは、是非、お声かけください。