専用工具のリース体制
- 2018.04.05
|メカニカルジョイント
メカニカルジョイント(mechanical joint)とは、「機械式」接合の「管継手」のことです。
特徴は、ゴムシール材等の密着によって接合部の止水を行う構造や専用工具等を使用して接合することで、接合品質の均一性が可能なところです。
ベンカンでは、ステンレス配管を中心としたプレス式、拡管式、ワンタッチ式の3つの接合方式のメカニカルジョイントを取り扱っております。
接合には、専用工具不要のワンタッチ式の「EGジョイント」以外は、専用工具を使用して接合することになります。
それぞれ、プレス式の「モルコジョイント」、「ダブルプレス」などには締付工具、拡管式管継手である「BKジョイントⅡ」は、拡管工具が必要となります。
|ロジスティクス
近年のビジネスモデルの中で、「ロジスティクス(logistics)」という言葉を良く耳にするようになりました。
一般的には、「物流」と解釈される傾向が多いように伺えます。
しかし、その意味合いは、違わずとも根本は、大きく異なるのかと思います。
「ロジスティクス」は、もともと軍事用語で、その場合は、日本であれば、兵站(へいたん)となります。
作戦計画に従って兵士や兵器あるいは食料などを確保、管理し、補給するまでの全ての活動であり、「最前線」で戦闘に従事する前方業務に対して、後方業務または後方支援と呼ばれる業務領域を指します。
戦争ともなれば数万人という兵士が「最前線」に送り出されます。
しかし、兵士だけを送り込んでも、その意味を成しません。
そこには、食糧はもちろんのこと、武器や燃料などの物資を滞りなく「最前線」に供給し続けなければなりません。
故に「ロジスティクス」が機能しないと戦局へも影響を及ぼすため、とても重要な取り組みである訳です。
これをベンカンのビジネスモデルに置き換えた場合、「最前線」とは、工事現場となります。
ベンカンのロジスティクスの目的は、「必要なモノを、必要な時に、必要な場所へ、必要なだけ供給する。」です。
「最前線」である工事現場に、メカニカルジョイント、そして専用工具を共有させていただくことがミッションとなります。
|工具センター
専用工具類ですが、基本的に需要家の皆様にご購入いただいております。
しかしながら、大型の工事現場であると、所有されている専用工具だけでは足りなくなってしまう場合があります。
また、需要家の皆様の中には、コンスタントにステンレス配管の工事現場に携わられるとも限りません。
そこで、リース会社様や代理店様に専用工具を所有していただき、需要家の皆様には、そこから貸し出しをお願いしておりました。
しかしながら、メーカーとして、社外の協力業者様だけに委託すべきではないと考え、MJ工場(群馬県太田市)内に工具センターを設けております。
現在では、プレス式継手用の専用締付工具、拡管式継手用の拡管工具それぞれ、リース工具として相当台数を所有しております。
工具センターを管轄する営業部 業務課 工具グループは、発送グループと共にベンカンにおけるロジスティクスを担った部署です。
工具センターの業務は、営業から寄せられる工事現場の規模、工期、稼働状況を元に、専用工具のリース依頼状況を把握しながら、供給・返却・メンテナンスの管理をしております。
以前は、返却されたリース工具のメンテナンスや修理は、製造元の工具メーカーに送って実施しておりました。
しかし、現在は、スタッフが定期的に工具メーカーで研修を受けて、工具センターにてほとんど対応しております。
また、工具センターとして重要視しているのが、単にリース工具を貸し出すことではないとする考え方です。
業務の中に、常に「お客様目線」を持って取り組むことを忘れない様にしております。
例えば、工具メーカーの取扱説明書以外にベンカン独自のリース工具説明書(付属品明細・注意事項・拡管対処法)を作成してリース工具に同封しております。
この説明書には、各資料に掲載している注意事項も取りまとめています。
これによって、工事現場での付属品紛失やリース工具の不具合を事前に防ぐことが出来ております。
また、どんなに最適なメンテナンスを実施しても、実際に工事現場で正しい取り扱いをしていただかないことには、施工の不具合に通じてしまいます。
そこは、担当の営業スタッフから、施工講習会の実施を徹底させていただいております。
今後も、決して、プロダクトアウトの発想になることなく、マーケットインあるいは「お客様目線」を意識して参ります。
リース工具ならびに工具センターへご意見、ご要望がありましたら、お近くの営業所までお問い合わせください。
大澤 直忠(Naotada Oosawa) 営業部 業務課 課長